ゲームアプリは遊べるか
処理性能はmoto e7とmoto e7 powerでわずかながら差がある。プロセッサは「MediaTek Helio G25」で共通だが、メインメモリはmoto e7が4GB、moto e7 powerが2GBだ。内蔵ストレージもmoto e7が64GB、moto e7 powerが32GBであり、数値的には半分になっている。
ベンチマークアプリの「Geekbench 5」でCPU性能を測ってみると、moto e7はシングルコアスコアが151、マルチコアスコアが844だった。moto e7 powerは、どうしてもベンチマーク実行中にアプリが落ちてしまったので正しいスコアか疑問だが、履歴を見る限りシングルコアスコアで134、マルチコアスコアで495という値は確認できた。
GPU性能を測定する「3DMark」で「SLING SHOT EXTREME」のOverall scoreは、moto e7で416、moto e7 powerで422となり、あまり差が見られなかった。
プロセッサの性能に関しては、あくまで価格相応。負荷の高いゲームアプリを頻繁にプレイなら、価格的は上げるがより高性能な端末を購入したほうがよいだろう。ただし、moto e7とmoto e7 powerでも、一切ゲームアプリができないというわけではない。
例えば今回、3D描写の多いレーシングゲーム「Asphalt 8」をプレイしてみたが、moto e7もe7 powerも、まれに画面がちらついたものの、プレイ自体は何も問題なく楽しめた。アプリ起動や、いったん画面を閉じるなどの切り替え操作のタイミングでは、ミッドレンジ以上のスマートフォンと比べてもっさりした印象を受ける場面もある。
バッテリー容量については、moto e7が4,000mAh、moto e7 powerが5,000mAhとなる。今回はバッテリー持ちに関して正確な測定こそしていないが、筆者が検証として初期設定やカメラ撮影、ゲームアプリプレイなど、同じ操作を2機種で行っていた印象では、わずかにmoto e7 powerのほうがバッテリー持ちがよいと感じた。
とはいっても、moto e7が50%になったタイミングで、moto e7 powerは55%くらいの差しかない。バッテリー容量の数字でmoto e7 powerを選ぶのはあまりおすすめしない。むしろ、moto e7は5W高速チャージャー、moto e7 powerは10Wチャージャーが同梱されており、こちらの違いに注目する人は多いだろう。
motoアクションの違いがある
最後に、モトローラの端末ではおなじみの「motoアクション」の違いについてチェックしておきたい。端末を振るなどのアクションによって、特定の機能を起動するといったショートカット機能が使えるかどうかだ。こうした機能を期待して購入を検討する場合には、目的の動作がサポートされているか確認しておこう。
moto e7では、カメラ起動、LEDライト点灯、持ち上げて着信音停止、3本指でスクリーンショットという4機能をサポート。moto e7 powerでは、LEDライト点灯と3本指でスクリーンショットの2機能のみサポートする点が異なる。
エントリースマホとして妥当な部分はあるが、満足できる要素は多い
moto e7とmoto e7 powerは十分に満足できる部分も多いが、処理性能など1万円台の端末として妥当なところもある。Wi-FiがIEEE802.11b/g/n(2.4GHz)のみであり、5GHz帯のIEEE802.11ac/a/nやWi-Fi 6(IEEE802.11ax)に対応していない点も、気になる人はいると思う。
とはいえ、DSDVに対応して、大画面、カメラもそこそこ楽しめるという点で、コストパフォーマンスが高いことは事実だ。特に、両機ともにDSDVをサポートしており、複数SIMを運用したい人にとっても、試しやすい端末ではないだろうか。安くても最低限使える端末が欲しい人や、目当てのハイエンド機を待つ間のつなぎを探している人には魅力的な端末だと感じた。