各キャリアとMVNO事業者で通信プラン見直しの機運が高まる昨今、とにかく安価な端末を探している人もいることだろう。モトローラ・モビリティ・ジャパンが2月26日に発売したSIMロックフリースマートフォン「moto e7」「moto e7 power」は、ともに税込1万円台で買える端末として注目だ。ここでは両機を実際に使ってみた使用感をお届けしたい。
「moto e」シリーズは、同社がエントリー向けに展開するライン――。2018年6月発売の「Moto e5」から、日本国内向けのラインナップにも加わったシリーズだ。今回発売されたmoto e7とmoto e7 powerの2機種も、税込1万円台で購入できる価格が最大の魅力といえる。
モトローラの公式ストアを見るところ、2020年8月発売の「moto e6s」が併売されつつ、moto e7とmoto e7 powerを加えた3モデル展開となるようだ。それぞれ同じエントリーモデルとしてブランディングされつつも、moto e7のほうがmoto e7 powerより税込2,000円高く、性能面にもわずかながら差があることも分かる。
外観を比較してみた
ディスプレイサイズは両機とも6.5インチ。本体サイズも、実際に触ってみると「ほぼ同じサイズ」の印象だ。
- W75.73×H164.93×D8.89(最薄部)mm:moto e7
- W75.86×H165.06×D9.20(最薄部)mm:moto e7 power
また、ディスプレイのアスペクト比が20:9であることや、上部には水滴型のノッチが備わること、解像度が1,600×720ドット(HD+)であることなど、多くの仕様が共通する。ただし、重さはmoto e7が180g、moto e7 powerが200gと違いはある。
背面から側面にかけてのデザインには、2モデルで大きな差がある。まず背面に関しては、moto e7はカメラを中心に小さい溝が刻まれ、サラサラとした手触りで指紋も目立ちにくい。一方、moto e7 powerはこうした加工がなく、ツルッとした表面だ。カメラの位置も異なり、moto e7は端末中央部に、moto e7 powerでは左肩近くの配置。なお両機とも、背面中央にはブランドロゴを刻んでおり、ここが指紋センサーを兼ねている。
側面には、両機ともGoogleアシスタントを起動できる専用キーを備えているのだが、その位置が違う。moto e7は左側面、moto e7 powerは右側面の上部に配置されている。筆者としては、ボタンを押しやすいのは前者だが、誤操作が少ないのは後者と感じた。
インタフェース類は両者とも共通。上部側面には3.5mmのイヤホンジャック、下部側面にはUSB Type-Cポート(USB 2.0)が備わる。
大画面だが、ビューワーとしては内蔵スピーカーはいまひとつ
6.5型の大画面は、ブラウジングや動画視聴などに適している。解像度はHD+に留まるが、正直そこまで画質が荒いと感じることもない。コンテンツビューワーとして使う場合も、よほどのこだわりがなければストレスなく使えるはずだ。
一方で、内蔵スピーカーの音質は期待できない。例えば動画を再生した場合には、背面下側に付いているスピーカーから発せられる音がメインになるので、どこかくぐもったような印象になり、どうしても解像感に欠けてしまう。両機ともにイヤホンジャックは備えているので、音も楽しみたいときは、有線イヤホンやワイヤレスイヤホンなど使うべきだろう。
背面カメラには差がある
背面カメラに関しては、両機とも2眼構成だ。moto e7は、4,800万画素メインカメラ(f1.7)と200万画素マクロカメラ(f2.4)を、moto e7 powerは1,300万画素メインカメラ(f2)と200万画素のマクロカメラ(f2.4)を備える。
昨今のハイエンドスマホだとカメラ画素数の差が解像感に直結しない傾向もあるが、両機で実際に写真を撮影してみたところ、カメラ性能の差は感じた。被写体のディティール、コントラスト、色味などを比べてみると、moto e7のほうが優れていた。
特に、moto e7は4つの画素を1つの画素として扱うクアッドピクセルテクノロジーに対応していることもあって、暗所でも鮮明な写真を撮影できる。想定用途に写真撮影が含まれるならば、moto e7を選んだほうが満足度は高いだろう。