――ゼンカイジャーの敵・悪の王朝トジテンドとは、どれくらいのレベルの"悪"なのでしょう。
こちらもオーソドックスに、すべての世界を征服するぞ!と企んでいる奴らです。これまでにいろいろな"世界"をほぼほぼ手に入れてしまっていて、ついに私たちのいる世界に狙いをつけたという設定です。悪いというより、ズルいみたいな感じでキャラクターを描いています。ゼンカイジャーが45戦隊の力で戦うわけですから、かなり強力な敵だと思っていただいていいでしょう。
――劇場版ではゼンカイジャーがすでに結成されていて、介人やキカイノイドたちが普通に暮らしている状態でしたが、時系列的にはテレビシリーズの始まりからどれくらいの時間が経っているのでしょうか。
はっきりと何話と何話の間とは決めていませんが、7話あたりだと思います。出会いから戦隊結成まではすでに終えていて、いわゆる「通常回」に入っている段階ですね。どうしてジュランたち4人が介人の仲間になったのか……という部分は、テレビシリーズをご覧になればわかるようにしています。当初から「劇場版」をやることは決まっていましたが、まずテレビシリーズの第1話から第4話までのストーリー展開を固めつつ、その延長上にあるのが劇場版だと想定して、物語を作っていきました。
――劇場版にはアカレンジャーが登場してゼンカイザーにエールを贈りますが、お話の展開的に『ゴレンジャー』要素を意識された部分なんてありましたか。
それほどなかったかもしれません。あえて挙げるなら、ゴレンジャーの必殺技「ゴレンジャーハリケーン」的な戦い方をやっていますが、仕上がりを見ると、あれをゴレンジャー意識だと言ったら失礼に当たるかもしれない、みたいなニュアンスです(笑)。
――完成した劇場版をご覧になったときのご感想はいかがですか?
それはもう、キャラクターがかわいく、バカっぽく、愉快な感じに仕上げていただいて、とてもよくできていると思いました。シナリオ描写からどんどん"盛って"いただいて、キカイノイドたちのかわいい部分が増している印象です。特に良かったのはジュランですね。介人との"相棒"っぽい空気がすごく表れていました。
――オールレッド大集合、全スーパー戦隊のボスキャラが結集した「スーパー悪者ワルド」と同じく、『海賊戦隊ゴーカイジャー』のバスコ・タ・ジョロキア(演:細貝圭)、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』のザミーゴ・デルマ(演:入江甚儀)、そして『動物戦隊ジュウオウジャー』のバングレイ、『手裏剣戦隊ニンニンジャー』(2015年)の十六夜九衛門をはじめとする"レジェンド悪役"の登場も劇場版の大きな注目ポイントですが、誰を出そうかというチョイスは香村さんのほうで決められたのですか。
バスコやザミーゴに関しては、介人とガオーンのために配置したキャラクターですね。介人が生身の人間キャラとお芝居する機会が少ないので、ちょっとでも盛っておきましょうと。そしてガオーンは人間が大好きなので、人間に見えるキャラに絡ませておきたかったんです。
あとのレジェンド悪役は、比較的最近の作品の中から選ぶことになりましたが、私が完全に好きなように選んだわけではないですよ。選出にあたっては、私か中澤祥次郎監督が扱ったことのあるキャラだったら、何とでも動かせるだろうという考えも反映されています。
――劇場版に続いて『ゼンカイジャー』の物語が3月7日よりいよいよ始まろうとしていますが、序盤のエピソードを書かれているいま、どのような"手ごたえ"を感じていらっしゃいますか。
現段階では、キャラクターが新登場する"イベント"が多く、それを追っているところがありますね。『ゼンカイジャー』は戦隊メンバーがそのまま巨大ロボになりますので、ジュラン、ガオーン、マジーヌ、ブルーンの濃厚な個性をお見せするのが、巨大ロボを魅力的に描くことへとつながっていきます。
――最後に『ゼンカイジャー』の注目ポイントと、どのようなシリーズにしたいかといった抱負を聞かせてください。
人間(介人)とロボット(キカイノイド)が仲良く頑張るところにご注目ください。『機界戦隊ゼンカイジャー』、明るく楽しく、にぎやかな作品になればいいなと思っています。映画もテレビも思いっきり楽しんでください。
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