「海外旅行に行きたい!」と思っても、この状況でいつ行けるのか……。そんななか「自宅で海外旅行ができる」オンライン体験ツアーがあるという。「自宅でどこまで海外旅行が楽しめるのか?」半信半疑の気分も抱きつつ、旅行会社HISが実施する世界一周オンライン体験ツアーに参加してみた。

世界一周13泊14日間を、90分に凝縮!

今回参加するのは、3大陸5都市をめぐる「世界一周ツアー」。ハワイ・ワイキキビーチのサンセットを楽しみ、オーストリアの熱帯雨林でコアラと会い、ケニアでサファリツアー、インドでガンジス川を散策、トルコ・イスタンブールのブルーモスクを巡っていく。人気の行き先を全部盛ったような豪華な行程だ。

実際に行くなら10~14日間かかる旅行を、このオンライン体験ツアーでは90分で体験する。たった90分という超高速世界旅行、リアルではありえない旅行時間なのだ。(※今回参加した旅行は、HIS『【第1弾】世界5都市同時中継! 世界一周ライブツアー』)

筆者も海外旅行は好きで、コロナ禍で旅行に行けず悶々としているが、果たしてこの海外旅行へ行きたい気持ちはオンラインで満たせるのだろうか? オンライン海外旅行に行く前に、気になっていることをいくつか挙げてみた。

■オンライン旅行で気になっていること
【1】短時間で海外旅行の気分を味わえる?
【2】いつもいる自宅で旅行気分になれる?
【3】知らない場所でも楽しめる?

海外旅行といえば、飛行機で長時間の移動をして、現地でのんびりしてとたっぷり時間を使うイメージだ。90分で5都市となると、1都市20分もいられない。また生活感が溢れる自宅で、異国情緒は感じられるのか。そして海外旅行に行く前は、ガイドブックを読んでみたり、下調べをしっかりする方もいるだろう。今回は気軽に参加できるツアーなので、現地のことは詳しく知らない状態だ。果たして、どこまで楽しめるのだろうか……。

そんな疑問もありつつも、久々の「海外旅行」という響きにやはりワクワクする。指定されたZoomに入ると、すでに一緒に旅をする100人以上の方が。添乗員の方に説明を受けながらオンライン海外旅行にいざ出発!

ハワイ・ホノルルのサンセット

最初はハワイ・ホノルルへ。実際の飛行機なら7時間かかるが、オンライン旅行なら一瞬で到着する。現地の時間は日本と19時間の時差があるが、時差ボケとも無縁で快適だ。

ガイドの方が、元気に「アロハ~!」と迎えてくれる。アロハ~!

ハワイのメインストリート・カラカウア通りから、夕暮れのワイキキビーチへ。コメントが書きこめる機能があるので、気になることを現地のガイドさんに質問することもできる。「ハワイの気温は?」と聞いてみると、「夕方なので涼しいですが、24度くらいです!」とのこと。こちらは真冬の時期なので、うらやましい暖かさだ。

ガイドさんの何倍もあるこの木は、バニヤンツリーという菩提樹の仲間だそう。他にもビーチに向かいながらハワイの情報をいろいろと教えてもらえる。なお、現在ホノルルでは8割ほどの店はオープンして、アメリカ本国からの観光客が来ているとのこと。そういった「現地の今の話」も興味深い。

ワイキキビーチでは、ちょうど太陽が水平線に落ちていくとこを見せてもらえた。大きな太陽に影絵みたいなヤシの木、現地に行ってないけれどちょっと感動してしまう。

砂浜に座って夕日を眺めたり、海水浴や釣りをしたりと、思い思いの楽しみ方をしている人たちが。ビーチではマスクを外しても良いそうだ。こちらは寒い時期のうえに、自宅にずっとこもっているので、この解放感はうらやましい……! そんな雄大な景色に見とれていると、ガイドさんから突然「ハワイ州の州花は?」とクイズが。 ハワイと言えばハイビスカスかな?

そんなクイズも織り交ぜつつ、ハワイのツアーもあっという間に終了の時間になってしまった。たった15分ほどだが、いつかワイキキビーチに行ったときは「あの時に見た!」と懐かしさを感じてしまいそうだ。

オーストラリアのコアラとケニアのキリン、どっちがかわいい!?

次は南半球・オーストラリアのキュランダへコアラに会いに行こう。日本との時差は1時間しかないが、季節は反対の真夏だそう。ガイドさんも半袖だ。

オーストラリアのケアンズから、世界遺産のキュランダまでは鉄道かスカイレールで移動するという。海外旅行と言えば、長い移動も楽しいが、ここではダイジェスト版の動画で乗った気分になれる。

今回訪れるキュランダは、1988年に「クイーンズランドの湿潤熱帯地域」として世界遺産に登録された場所で、アマゾンよりも古い熱帯雨林だそう。その中にある「コアラガーデンズ」では、コアラやワニ、カンガルーなど、オーストラリアの生き物が飼育されている。

今回会ったコアラのは、16か月のベラちゃんという女の子。かわいい! ガイドさんによると「触り心地はフカフカ!」だそう。

かわいさだけではなく、コアラの習性や特徴も説明してくれる。おしりがまだらに白いのは、木の下から見上げた時に、空と同化して見つかりにくくなるそう。

そんな知識を教えてもらいながら、次はケニア・ナイロビへ。「ジャンボ!」の挨拶とともに、熱帯雨林からサバンナに移動する。

ここはケニアの首都・ナイロビから7kmの場所に位置するナイロビ国立公園。近代的なビルが近くにあるが、100種類の哺乳類と400種類の野鳥が暮らしているそう。ちなみにこのサファリツアー、どんな動物に出会えるかわからないワクワク感もある。

あれ、遠くに見えるのは……?

キリンだ! アカシアの葉っぱをモリモリと食べている様子は、画面越しでも迫力がある。

さらに動物を探して移動すると、インパラの群れやバッファローも。群れのインパラは、オスは1匹だけで、あとはすべてメスばかりというハーレムだそう。動物について教えてくれるのは、ガイドの方と一緒ならではの楽しみ方だろう。しかし、先ほどのオーストラリアのコアラもケニアのキリンも、普段の生活とかけ離れた環境だ。だんだん自宅にいても海外を旅している気分になってくる。

まだまだいろんな動物を探したいが、次の国へ移動しよう。