コロナの影響は……
――トルコでもコロナの影響はかなり大きいと思いますが、ニートさんから見てどうでしょうか?
「街の様子は大きく変わりましたね。コロナ前は冬でもマスクをする人はほぼいませんでしたが、今ではマスク無しで外出していると罰金があるので、ほとんどの人がマスクを付けています」。
――罰金ですか! とっても厳しいですね
「以前は、道端で集まったり、小さい椅子に座ってチャイを飲みながら世間話をするトルコ人が多かったですが、コロナの影響からかそういう人も減りました。
また、昨年の12月からカフェやレストランやなどの飲食店の店内で食事を取ることが禁止され、営業はすべてテイクアウトのみとなりました。ナイトクラブやバー、映画館なども全て閉まっています(筆者補足:トルコでは2020年末よりコロナ対策を強化。ショッピングモールへの入場制限なども行われた)。
また外出の許可については、平日は夜9時まで。週末の土日は終日、基本的に外出禁止となっているので、平日仕事をしている人は夜も出歩けないし、週末も外に出れないので、なかなか友人などに会えないという状況の人も多くいます。
トルコ人の知り合いでコロナにかかった人も何人かいますし、その知り合いの家族の中でコロナで亡くなった方もいるという話はたまに聞きます。ただ周りの日本人でかかったという話はいまのところ聞いていませんが……」。
――非常に心配な日々が続きますね
ニートさんの今後
――ちなみにトルコでのニート生活も丸2年ということで、今後の予定は?
「日本に帰る予定もなく日本に職もないので、お金がある限りトルコにいたいと思っています。できればもう3年、4年ぐらいトルコにいたいですね。ただトルコのイカメット(短期滞在ビザ)の制度は急に廃止される可能性もあるので、その場合はがんばって仕事を見つけてトルコに残りたいと思ってます。
とりあえずトルコに住み続ければ何かしらチャンスが来ると思うし、トルコに住み続ける日本人として差別化ができるので、その先に永住権を取れるチャンスがあれば、そうする可能性もあると思います。
ただ他の国に住むのも面白そうなので、短期で近くのヨーロッパの国に移るという生活もいつかしたい、という思いもありますね」。
最後、ニートさんが思うトルコの魅力を質問してみました。
「そこまで気を張らずに生きていけることかな。トルコの人は適当でゆるい感じで、ミスをするのは当たり前。間違ったことをしても全然謝らないけど、フレンドリーだからどこか憎めないところがあり、私と相性が合うんです。
政治や経済のことで大変な状況であっても、それでもトルコ人の方々はどこか悲壮感もなくのんびり暮らしている気がします。ひまなときは海の近くや公園で座って、チャイやビールを飲みながら時間を過ごす。そういう生活ができるところがとても魅力的です」。
多くの日本人が真似しづらいユニークな生き方を動画・SNSで配信することで注目を集めるニートさん。自身の興味や気分に背かず、肩肘をはらずに生活する様子は、オンライン時代の生き方のひとつの理想形であるように感じました。