シリーズ最終章を迎え、感無量の面持ちの2人。激しいラブシーンも話題のシリーズだが、印象に残っているラブシーンを聞いてみると、竹財は「もっとも衝撃的だったのは、(1作目で)春彦の想像の中で行われる、木島と城戸のラブシーン。城戸役の吉田宗洋さんも思い切りのいい方なので。そこまでやるのか!と衝撃でした」と笑い、猪塚も「テーブルが、がっしゃんがっしゃん動いていましたからね!」と回想し、「僕は、劇場版での木島と春彦のラブシーン」とコメント。「コロナ禍ということもあって、何度も繰り返してラブシーンを撮影することができない時期でもあって。ものすごく集中して撮影に臨み、とても印象深いシーンになりました」と話す。

信頼できる共演者と新境地に挑み、お互いに俳優としても、貴重な経験ができたシリーズとなったという。竹財は「キャストもスタッフも全力で挑んだ作品です。それがファンの方に届いて、報われた。俳優としても、約3年をかけて一つの役を深めていけるということは、なかなかできない経験です。本当にぜいたくなことだなと思いますし、唯一無二の作品になりました。ものすごく楽しかったです」と心を込める。

猪塚は「本作での春彦を演じる上では、『木島先生と会えない期間がありながら、どのように彼を愛していたのか?』という気持ちの積み上げが大事でもありました。僕自身、昨年は、コロナの影響もあって舞台が中止になったり、自由に人と会えなかったりなど、悶々と過ごしたこともあって。そういった想いを、役者としても、キャラクターとしても本作にぶつけることができた」と告白。「僕の中ではターニングポイントでもあり、役者としても一つ成長させてもらったと確信しています。本当にいい役に巡り会えた」と力強く語る。

木島と春彦の愛を体現したことで、「“愛する”という感情は、相手の姿かたち関係なく、湧き出てくるものなんだと思いました。概念を覆されるような経験もできた」と竹財。猪塚も「木島先生の魅力を知っていく春彦を演じたことで、僕もなんだか前より人に興味を持つようになり、出会う人のいいところを探すようになりました」と人生観にも変化があった様子。2人とも、大切な宝物に触れるように、温かな笑顔いっぱいに本シリーズについて語っていた。

■竹財輝之助
1980年4月7日生まれ、熊本県出身。2004年、『仮面ライダー剣』で俳優デビューを果たす。2007年、映画『未来予想図 ~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~』で数千人のオーディションで松下奈緒の相手役に選ばれて注目を集め、ドラマ『ポルノグラファー』(18)、『東京男子図鑑』(20)、『年の差婚』(20)など主演作が話題となる。

■猪塚健太
1986年10月8日生まれ、愛知県出身。2006年に俳優デビューを果たす。舞台・映画『娼年』(16、18)での体当たりの演技も注目を集め、映画『斉木楠雄のΨ難』、ドラマ『今日から俺は!!』(18)、『今日から俺は!!劇場版』(20)、『ポルノグラファー』(18)など話題作への出演が相次いでいる。

(C)2021松竹株式会社 (C)丸木戸マキ/祥伝社