2017年夏にデビューした、新人声優によるアイドルユニット・ピュアリーモンスター。彼女たちが満を持して2月24日にリリースした1stアルバム『PURE×PURE×PURE』は、最新作までのシングル収録曲全てに加え、新曲2曲に初音源化の楽曲も収録。全16曲入りの大ボリュームの作品に仕上がった。今回はそのリリースにあたって、メンバーの今野優月・吉咲みゆへのインタビューが到着した。

  • ピュアリーモンスター今野優月・吉咲みゆ

●待望の1stアルバムリリースを前に、振り返るこれまでの足跡

――満を持しての1stアルバムリリース。収録曲を通して、今までの活動を思い出すことも多いですか?

吉咲 はい。初期メンバーが歌っていた曲に、あらたに新メンバーの私と安藤鈴菜ちゃんの歌声が収録されて収められているので、初めて舞台に立ったときのことも思い出しまして。完成したアルバムを聴いて、すごく新鮮な気持ちになりました。

今野 私は、初期メンバーとして今までたくさん曲を出させていただいてきたなかで、”アルバム”が活動の目標のひとつみたいなところがあったんですよ。なので、改めてたくさんの曲を歌わせていただけたことの嬉しさと、「アルバムになるんだ!」というワクワクを感じているような状態です。

――ライブやイベントなどでの出来事も、曲を聴くなかで思い出されてきたりしますか?

今野 しますね。例えば、1stシングルのときは持ち歌がその収録曲しかなかったので、リリースイベントが一部・二部とあっても同じ曲ばっかりになっちゃったこととか(笑)。でも、それぐらいたくさん歌ってきた曲がこうやって収録されているのも、改めて嬉しいです。

吉咲 それに、曲ごとに表情がそれぞれ違うので、「表現するときに、こんなところを工夫したな」みたいなことを思い出すことも多かったです。表現したくてもなかなかできずに悔しい思いをしたこともありましたし、ファンの方に褒められたことを思い出して自信になったり……いろいろな思い出がありますね。

――デビュー曲「教えてダーウィン」が10曲目だったりと、曲順には意外な部分もありました。

今野 たしかに。私もシングルのリリース順になるのかな? と想像していたので、意外でした。でも逆に、このアルバムのリード曲「PURE×PURE×PURE」は、1曲目がすごく似合う曲だなと思います。あと、今回初めて音源化される「DREAM PLANET」は、私たちの1stワンマンライブのテーマソングなんです。それが15曲目という終盤に収録されていることで、アルバムを曲順通りに聴いて気持ちが高ぶったところで来るので……ちょっとこう、エモいですよね(笑)。

――ちなみに、アルバム制作にあたって皆さん発信でアイデアを出したことなどはありましたか?

吉咲 新録曲の話になるのですが……ピュアモンの曲って、セリフみたいなものが入っていることが多いんですね。そのセリフの言い回しは、自分から「こういうふうに言いたい」とディレクターさんに聞いていただいたりしました。

●ぶっ飛んだリード曲「PURE×PURE×PURE」は、”楽しく!”を大事に

――では続いて、新曲や初音源化曲についてお聞きします。まずタイトルチューンでもある「PURE×PURE×PURE」は、次々に雰囲気も変わるうえに非常に個性的な楽曲なので、最初は歌う際に難しさも感じたのでは?

今野 感じました(笑)。レコーディング前にいただいた仮歌がすごくコミカルで、「私たちが歌ったらどうなっちゃうんだろう?」っていう不安とワクワクがあったんです。

吉咲 私も、やっぱり最初は「どうしたらいいんだろう?」という気持ちがまずありまして(笑)。しかも実は、この曲のレコーディング順は私が最初だったので、ディレクターさんとすごく相談して何十パターンも録ったんです。

――トップだと、方向が決まっちゃいますからね。

吉咲 そうなんですよ! でもやればやるほどアイデアも出てきましたし、ディレクターさんがそれを受け止めてくださったおかげで、今まででいちばん楽しいレコーディングになりました。しかも全員の歌が入った出来上がりを聴いたら、振り切ってやっているからこそのかわいらしさみたいなものを感じました。

今野 全部”ら”の1-Aメロもすごくかわいかったよね。あんなに長い部分を”ら”だけで歌ったのはもちろん初めてだったので、レコーディングでは結構苦戦したんですけど、出来上がったら一人ひとりの”ららら”がすごくかわいかったんですよ。

――既にライブなどで歌う機会も多いと思うのですが、その際にはどんなイメージで歌われましたか?

今野 “ららら”以外の部分も結構ぶっ飛んだ歌詞なので(笑)、全体的に「みんなと楽しい空間を作ろう!」という気持ちが強いです。”ららら”の部分も振付がフリーになるところなので、ひたすらノリノリな感じで歌っている子を盛り上げたりして。考えるよりも、そのときの「楽しい!」とか「弾ける!」みたいな気持ちに素直に歌っています。

吉咲 「疑問に思ったら負け」みたいなところもある曲ですからね(笑)。でもサビはうって変わってピュアモンらしい、すごくかわいくてパワフルな感じがする明るい曲なので、サビでは全身全霊でアイドル!という感じでパフォーマンスするよう心がけています。

――そのサビの部分は、MVではダンスショットにもなっています。

吉咲 すごく振りコピしやすい振付にしてくださったので、振り入れのときから「これ、絶対ファンの方はすごく好きだろうなぁ」と思っていました。それで実際ライブでやったら、やっぱり覚えやすかったのか、初披露なのに皆さん2番から「もう知ってる」ぐらいの感じで……(笑)。

今野 早かったよね(笑)。ピュアモンのファンの方には振りコピをしてくれる方が元々多いうえに、今はライブで声が出せない状況なのもあってルールの範囲で振りコピしてくれているんでしょうけど、「すごいなぁ」って思います。

――そのMVでは、歴代の衣装が登場する点も印象的でした。

吉咲 しかもあの衣装は、各メンバーが自分で着たいものを選んだんです。例えば私は、初めてシングルに参加した「Secret Story」の衣装を選ばせていただいたり……。

今野 私は形とか色味も含めていちばん好きな、2ndシングル「まだ誰も知らない明日へ」の衣装を着させていただいて。1stアルバムの表題曲のMVなのに、このアルバムの衣装以外の歴代の衣装もそれぞれ着られることってやっぱりエモいですし、ファンの皆さんにもいろいろなことを思い出しながら観ていただけると思うので、すごく好きなポイントです。

――その他にもシーンが多彩で、にぎやかなものもたくさんありましたが、突然入ってくるモノクロのカットがいいアクセントになっていますね。

今野 あれはすごく衝撃的でした。でも、全体的にすごくコミカルでポップな感じの曲の中でちょっとサウンド的に落ちる部分がモノクロになっているので、曲と照らし合わせるとすごく納得がいくんですよ。MVが公開されてからファンの方からよく「ここが好き」と反響をいただいたのもその部分が多かったので、今までのピュアモンのMVにはなかったようなテイストが刺さったとわかったのも、すごく嬉しかったですね。