SシリーズとNoteシリーズの大きな違いは、「Sペン」によるペン入力機能です。本体に収納したSペンを取り出して手書き入力できるのは、Noteシリーズの大きな魅力。ところが今回、S21 UltraがとうとうSペンに対応しました。
Sペン自体は付属せず(別売)、本体にも内蔵できませんが、NoteシリーズのSペンなどがそのまま使えます。近年のNoteシリーズに付属するSペンは、本体に収納すると充電とペアリングを行い、Bluetoothによる本体コントロール機能も搭載しています。しかし、S21 UltraはSペンの収納と充電ができず、そのせいもあってかBluetoothによるコントロール機能にも非対応です。
なお、Sペン自体はもともとワコムの技術を使っていて電力が必要ないため、手書き入力の性能は変わりません。電池を含まないペン型、鉛筆型といったSペンも登場しており、そうしたものを使えばペン入力に問題はありません。
ペンの書き味は、詳細に比較したわけではありませんが、特にNote20と比べても差は感じませんでした。Bluetoothを使ったジェスチャー機能以外は、Note20と同等の機能を備えています。Sペンを画面に近づけるとフローティングアイコンが表示され、ショートカットから各種アプリなどにアクセス。手書きノートアプリ「Samsung Note」(日本ではGalaxy Note)を起動したり、翻訳機能を起動したり、ペンを使ったNoteシリーズでおなじみの機能が利用できます。ペンを使う任意のアプリを登録することも可能です。
ボタンを持つSペンであれば、ボタンを押しながら画面を2回タッチするとSamsung Noteの新規画面が開きます。画面オフの状態でも、ボタンを押しながらSペンを近づけると、画面オフメモが立ち上がり、すばやく手書きでメモを取れます。この画面オフメモはSペンを近づけるだけで起動しますが、一拍置いて反応するので、「ボタンを押しながら画面タッチ」したほうが反応は早いようです。
いずれにしても、Sペンのキモである書き味はNote譲り。苦もなく書けますし、手書きでメモを取って、あとでテキスト化することも可能です(筆者は字が汚いので認識精度の問題はありますが……)
改めて、Galaxy SシリーズとNoteシリーズの違いは画面サイズとペンの有無ですが、今回のS21 Ultraによって両者の違いはあまりなくなりました。Sペンを本体に収納できてジェスチャー操作も可能なNote20にもメリットはありますが、ここまで接近してしまうと、すみ分けがなかなか難しいところです。
グローバルではS21 Ultra用の純正ケースとして、Sペンを収納できるものが出ています。それを使えば、充電やペアリングなどの機能はありませんが、Note20のように使うこともできそうです。
Galaxt S21シリーズは、ハイエンドスマートフォンとして充実した機能を備えています。今回は比較的コンパクトなS21と、Sペンや多彩なカメラ機能を搭載したS21 Ultraを試用しましたが、その中間のS21+もあります。2月上旬の現時点ではS21シリーズの国内発売は未定ですが、これまでの経緯からすると国内でも全3モデルが発売される可能性はあります。
個人的には、カメラ性能を含めてフラッグシップでなおかつ高度なSペン機能が使えるという、唯一無二のスペックを持つS21 Ultraはぜひ欲しいと感じた1台でした。