――声を掛けられた最初の一人はどんな人か、覚えていますか?
あの頃、すっごい原宿に行ってたんですよ。竹下通りを歩いていた時、同い歳か歳下ぐらいの女の子が声を掛けてくれたような気がします。歳が近くて、しかもSNSで存在を知った相手を応援してくれることってそんなにないですよね? だから、ただ声を掛けられるだけでもうれしかったです。
――その後、『Popteen』モデルとしてデビューされますが、TikTokのイメージが強すぎて悩んだ時期もあったそうですね。
TikTokで多くの方に知って頂くタイミングとほぼ同じ時期に『Popteen』でモデルをやらせて頂くようになって、どうしてもTikTokのイメージが強くなってしまったので、そこから「モデルとしての莉子」を認めて頂くためにはどうしたらいんだろうとすごく悩んで。芸能界も、ただ単に「楽しそう!」と感じて入ったので、今思うと初めて悩んだ出来事だったのかなと思います。
■エゴサをせず「自分は自分らしくいこう」
――どういう状況で、「モデルとして見られてない」と感じたんですか?
『Popteen』は、今までの先輩方が築き上げてきた歴史があります。そういう中で、熱量のあるファンの方に「レギュラーモデルはもっとこうあるべきだよね」とか、ネットの声を私がたまたま見てしまうと「やっぱり私って、全然ダメだな……」と落ち込むことがありました。
でも、モデルとしての自覚が芽生えた瞬間でもあって。「TikTok楽しいから、TikTokだけやっていればいいや」と思う時期もあったんですけど、『Popteen』に仲間入りさせて頂いたからには雑誌に貢献しないといけないし、私自身もモデルとして、人として成長しないといけないなって、すごく思いました。
――成長のチャンスとして前向きに捉えたんですね。SNSを使う上での気をつけていることやこだわりはありますか?
TikTokが中心となって、それ以外のSNSでも届けられる人の数がどんどん増えていきました。状況の変化に追いつかない部分もありましたけど、それぞれ使い分けています。
TikTokはその時の流行。TikTokの中で流行っていることだったり、音源だったり。高校生の日常を切り取ることが流行っていましたが、今でも日常の瞬間をアップしたりしています。Twitterは日記感覚。「今日は学校の1時間目に縄跳びをしました」みたいにどうでもいいことをつぶやいていますけど(笑)、同世代の方がフォロワーに多いので「私も朝から持久走頑張ったよ」とかコメントを頂けるので、そういう感覚で。3秒前に撮ったような自撮り写真も気軽にアップしています。世界観や統一感がメインとなるInstagramには「モデルとしての私」とか、仕事関係のことを中心に写真一枚一枚にこだわって上げています。モデルとして認めて頂くためにも、Instagramは特に重要だと思っていて。そんな感じで使い分けています。
――先ほどの『Popteen』モデルになったばかりの頃のお話にもありましたが、エゴサーチは積極的にやっていらっしゃるんですか?
『Popteen』は新しい環境だったので、周りの反応が気になってしょうがなくて。その時はすっごくエゴサしてました。でも、最近は全くしてないです。特に何かきっかけがあったりしたわけではないんですけど、「自分は自分らしくいこう」と思って。いつも応援してくださる方は、コメント欄やリプ欄に書いてくださるので、そういう方々の言葉一つひとつを大切にしていった方が幸せな時間を過ごせるのかなと。
――そういう中での今回のポッドキャスト。新たな発信の場として、莉子さんにとっても重要な場となりそうですね。
そうですね! 声だけで発信するのは、ポッドキャストだけだと思います。YouTubeは声もあるけど、表情も見ることができる。ポッドキャストは声だけから感じ取ってもらえるのでその部分を楽しんでもらえたらいいなと思います。あとは、お悩み相談もYouTubeではテンポ感が大切になりますが、ポッドキャストはリスナー一人ひとりの方にしゃべりかけているように。イヤホンを通じてとか寝る前とか、そこをちょっとだけでも感じてもらえたらいいなと思います。
■プロフィール
莉子
2002年12月4日生まれ、神奈川県出身。Popteen専属モデル。昨年、ドラマ『DISTORTION GIRL』で主演を務め、映画『小説の神様 君としか描けない物語』にも出演。SNSのフォロワー数は240万人を超え、10代が選ぶ好きなインフルエンサーランキング1位、2020年上半期のJCJK流行語大賞ヒト部門でも2位に輝く。