そして、この番組の大きな特色が、Twitter(@NTV_OIYAMAD)の展開だ。放送に向けて決定事項を発表するだけでなく、会議の模様を報告したり、番組ロゴ制作の様子を紹介したり、Twitterのヘッダー画像にするスタッフの似顔絵を募集したりするほか、キャスティングの参考にするため、「スポーツが得意な芸能人、タレント、アイドル、YouTuberなどを教えてください!」という呼びかけも。これに対し、3,300を超える返信が集まっている(2月7日現在)。
ここからリストアップし、実際に会議でキャスティングの検討が行われているそう。通常の会議では出てこない名前が挙がってくるそうで、「演出面の面白さというよりも、『この人は本当に身体能力があります』とか『全然泳げないんです』とか、ネットに載ってない情報をその人のファンの皆さんから教えていただけるんです」と、参考になっている。
こうして、制作過程を見せていく狙いを聞くと、「今のテレビは、作り手が見えないというところが気になっていたんです。例えば、YouTubeは出演している人が編集しているので、『この人が作ってるんだ』と分かって、ちょっと安心して見ていられる部分があるのに対して、テレビはそれがないなというのを結構前から思っていました」と回答。
さらに、「自分の近くの人が企画した番組は絶対チェックしますし、家族が何か携わった作品があれば、絶対見に行くと思うんですね。そういった感覚を多くの人が持ってもらえれば、楽しんでもらえますし、直接の視聴につながるんじゃないかと思ったのがきっかけです。キャスティングの名前を挙げることで少しでも携わった番組が、自分の子供のようにかわいかったり、Twitterで提案したことが番組を見て『私の発言が使われてる!』と喜んでくれたり、そうやって視聴者と番組を一緒に作っていくことが、これからのテレビに大切になってくる形なんじゃないかと思って、Twitterはいち早く始めました」と明かしてくれた。
“作り手が見える”の究極の形は、番組本編にも登場することだろう。ロケでは、ティモンディが試し打ちをする際、キャッチャーができる人材がいないため、生山Dがマスクをかぶるといい、その姿を見ることができるようだ。
■プレッシャー受け…フォロワー目標達成へ奮闘
ツイートを見ていると、部署を超えて社内から応援をされている様子も見受けられ、「日テレの公式アカウントや人事のアカウント、『有吉の壁』総合演出の橋本(和明)さんにもフォローしてコメントを頂いたり、社内のコンビニで『Twitter見てるよ』と声をかけていただいたり、本当にありがたいですね。制作者を見せることがみんなで作っている感じになれるというのが、イメージしていたよりも反響が大きかったです」と実感。
それは、フォロワーである視聴者の声ももちろん同じで、「キャスティング面だけでなく、いろんなアドバイスを頂けるので、非常に参考にさせていただいています。フォロワーさんのためにも頑張っていい番組にして、裏切らないようにしないと、という意味でも緊張感があります」と心境を語る。
また、昨年12月7日にTwitterを立ち上げるやいなや、「上司に、『年内にフォロワー1000人行け!』と言われてしまい、焦っております」と、いきなりミッションが課される展開も。数値達成に向け、いきなり晩ごはんの写真を投稿したり、既存フォロワーからのアドバイスを受けたりしながら、迫りくるリミットに向けて奮闘する姿は、かつて『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』でポケットビスケッツが挑んだ「100万人署名」企画のような、ファン(フォロワー)との一体感も生んでいる。
フォロワーの目標達成に向けて、上司から随時プレッシャーを受けている様子がツイートされているが、ミッションを与えている上司=荻野陽介プロデューサーは「単発の新しいトライアルの番組でTwitterを立ち上げても、フォロワーは100とか200とかがザラなんです。僕なんか古い人間なので、『番組の本編を作るのに注力して、Twitterはやれる範囲でやったほうがいいんじゃないか』と最初に言ったんですけど、それでも生山が『やりたいです』と言うので、『その熱意があるならちゃんと成功させようね』と伝えたことが誇張されて、ああいうツイートになっているんです!(笑)」と強調した。
2月7日現在で約4,000人いるフォロワーは、放送までに1万人を目指す。今のアイコンは、ダンボールにマジックで「日テレ」と手書きした見るからにチープなデザインとなっているが、『水曜日のダウンタウン』『テレビ千鳥』などを手がける榛葉大介氏が番組ロゴをデザインすることが決まり、こちらに差し替える予定だ。さらに、今後はナレーターの募集をTwitter内で実施することも計画している。