TOKIOの長瀬智也と脚本家・宮藤官九郎氏が、TBS系金曜ドラマ『俺の家の話』(1月22日スタート、毎週金曜22:00~)で11年ぶりに同局の連続ドラマでタッグを組む。本作は介護をテーマにしたホームドラマ。長瀬の父役は、ほかの作品でも親子役で共演経験のある西田敏行が演じ、2人の掛け合いが大きな見どころとなる。宮藤氏と磯山晶プロデューサーに、介護をテーマにした思いや西田の起用について話を聞いた。
長瀬、宮藤氏、磯山氏は、これまで『池袋ウエストゲートパーク』(2000)、『タイガー&ドラゴン』(2005)、『うぬぼれ刑事』(2010)でタッグを組み、個性的なキャラクターを作り上げてきた。
11年ぶりの強力タッグで描くのは、濃すぎる家族が織りなす、まったく新しい形のホームドラマ。ブリザード寿というリングネームで活躍する、ピークを過ぎたプロレスラー・観山寿一(長瀬)が、能楽の人間国宝である父の介護のために現役を引退し、名家の長男として謎の女性介護ヘルパーを巻き込みながら、家族と一致団結し、一家をまとめていく。
構想5年、3人で話し合いを重ねた本作。長瀬が子供を持つ親の役を演じたことがないという話になり、親子の物語、そして介護の話に。「親子モノだったら3人ともお父さん役は絶対に西田(敏行)さんじゃないと成立しない!」ということになった。
介護をドラマにするというのは、宮藤氏と磯山氏の間で意見が合致したようだ。宮藤氏は「僕の周りでも親の介護をしている人が増えて来て、そのわりに介護をテーマにしたドラマってすごく少ない。絶対にみんな直面する問題なのに、なんでドラマで扱わないんだろうというところから入った」と説明。
「そして、長瀬くんと磯山さんと今まで作って来たドラマのテイストで介護を扱えたらいいなと。ずっとふさぎ込んでいるばっかりではない介護のドラマ。いろんなことをあきらめたりしながら、しょうがないよねっていうコメディができたら面白いなと思いました」と語る。
磯山氏は「この5年の間に両親2人とも亡くなり、思い残すことがないように親を看取らないとあとで『ああしたほうがよかったのではないか』と思ってしまうなどと、家の話を宮藤さんと話すことが多かった」と明かし、「介護しているとき、この大変さはいつ終わるんだろう? と思ってしまって、でも終わるのって親が死ぬ時なんだと気づく、そういうのがすごいドラマチックだなと。身近な中にある一番ドラマチックな出来事は親の生き死にや余命だった。そういう話を宮藤さんとしていたらすごく盛り上がった」と振り返る。
そして磯山氏は「介護をテーマにしたドラマは見たくないという反応もあると思いますが、辛気臭くやらなければアリかなと」と述べ、「親がボケていくのも面白いと考えるというか。私は介護のときに“劇団親孝行の公演”だと思うことにしていました。そんな風に考えないとやってられないというのもあって、そういうのをドラマチックに描けたら面白いなと。立ち向かうべき価値あるテーマだなと思いました」と、自身の経験もドラマに生かした。
予告映像では、コロナ禍を反映させて出演者がマスクをしているシーンも登場。磯山氏は「最初はコロナのない世界でやろうと思いましたが、実際、人を集めてプロレス会場を撮るシーンなどもあるので、コロナ禍ということでやるしかないと判断しました。しないでいいところはしないでいくつもりですが、しないといけない環境のところではしている。家の中では外し、茶の間のシーンはしていません」と説明した。