SAPビジネス成功のポイントはどこにあると考えますか?
大西氏:SAPは日本で長く使われているため、ユーザー企業にもそれなりにSAPの知識がある人がいらっしゃいます。色々な経験値が蓄積されてきているので、われわれベンダーもしっかりした支援をしなければならない。これはいいことだと思います。
その先にあるDX、さらにはDXの先にある世界に行くためには、S/4の基盤が土台となります。テーブルの数が減りシンプルになったインフラやビジネス基盤を入れながら、その先の見える化や新しいビジネスなどにつなげていくことができるかが重要だと思います。ここをパートナー企業、お客様と一緒にできるかどうかが成功の1つのポイントになるでしょう。
横山氏:DXはERPの外にあると思われていますが、SAPはERPの中にDXに必要な技術を取り込んでいます。2020年の最新バージョンではAI、プレディクティブ(予測)などがたくさん盛り込まれています。それだけでなく、外とのインターフェイスもたくさん用意されています。逆に言えば、S/4に移行するだけでDXの一部は補完できます。ERPの中にDXが入っているので、中から広がっていくイメージです。
SNPが富士通との提携を成功させるために重要なことは何だと考えていますか?
横山氏:SNPの強みは技術力です。技術力というのは、模倣が可能なのでそれを回避するために常に新し技術を出しています。2021年のロードマップ では20以上の新機能を組み込むことになっており、システムでシステムを構築する方向に進めていきます。
他社と差別化できるような製品をわれわれが開発し、これを富士通さんに使っていただくことで富士通さんの差別化につなげることができると考えています。
村出氏:数をこなすことも重要です。そのためには、短いプロジェクト期間を複数回して、なるべく多くのお客様をS/4にマイグレーションしていただく。
SNPのツールは単純なマイグレーションツールではありません。複数のシステムを比較して、いいものを取り出してS/4に持っていくのですが、富士通さんの技術力に加えて、どの業務を持っていくのかの選択力が必要です。そこは富士通さんのアプリケーションの力になると思います。
そこをしっかり行い、さらにサイクルを短くする。これまでのSIerのやり方ではなく、もっと短サイクルで、テスト期間も凝縮して、システムでそれを回していく。そこに持っていくのが理想です。われわれはツールでしっかりバックアップしたいと思います。