(メンドイけど)デスクトップ環境を移行せよ!
過去の記事でも何度か同じことを書いているような気がするが、「筆者にとって2020年はパソコン環境を変えなきゃいけない年」だった。すでに新しいノートパソコンを購入し、モバイルディスプレイも(安物だが)買った。その元手となったのが「降って湧いた持続化給付金」というのは少々情けないが。
ともあれ、そんな今年の最後を締めくくるのが、デスクトップパソコンの刷新だ。なんでデスクトップが最後かというと、「入れてあるアプリもデータも膨大で環境移行が最もメンドイ」の一言に尽きる。
とは言え、いつまでも「Windows 7のSandy Bridgeおじさん」のままと言うわけにはいかない(旧環境はCore i3-2120Tだった。組んだのはおそらく2012年)。Windows 7のままだったのでハッキングされました……ではシャレにならない。その上、今年はデータHDDが壊れた(ブルーバックも今年になって数回見ている)。パソコンの信頼性低下が顕著になっている、と言う事で重い腰を上げる事にした。
さて、2020年はAMDの年だった(ノートパソコンならばともかくデスクトップでIntelを選ぶのは難しい)と言っても過言ではないだろう。当初「デスクトップ版Renoir」のRyzen 4000 Proシリーズでいいかなぁ、などどと思っていたが、Zen 3アーキテクチャーのRyzen 5000シリーズが2010年10月に発表された。
5000シリーズの発表時には発売日が決まっていなかった末っ子モデルのRyzen 5 5600Xも11月6日に無事販売となったので、今回は5600Xに決まりだ(正確に言えば11月に買うのに5000シリーズじゃなくては恥ずかしいだけ)。
さて、2020年に発売されたRyzen 5000シリーズはすべてCPU単体なので、GPUも買わなくてはいけない。最初「ゲームをする時間はないから映ればいい!」とアキバで800円(税別)と通電確認なしのジャンクGPUを購入し、幸運なことに動作した……が、「ニューノーマル時代のテクニカルライター」としては必須の機能である「Windows 10のGAME DVR(リアルタイム録画機能)」機能が使えない(NVIDIAの場合はEVENC、AMDならVCE、IntelならQSVが必須だ)……。結局(EVENCの世代が新しい)NVIDIA GeForce 1650を購入することになった。
PCケース(実はNEC Express5800というサーバーを流用)は今までのものを流用、というか新たに買うのはバカバカしい上に並べるスペースもない(ただし古いサーバー筐体ゆえにUSB3.0コネクタとフロントヘッドフォン端子がないが、これはベイをつかって拡張する)。
電源ユニットは今まで「ほぼ無停止で酷使」していたため10年保証の割には安いCorsairのDM750にリプレース。メインストレージはこれまた当然ながらNVMEのM.2 SSD。まずはこの環境で組み上げた上で「突貫工事でケースを入れ替える」までに移行準備をしなければいけない。
要するに「都会の道路工事」、あるいは2020年の地下鉄銀座線渋谷駅の工事のように、ダウンタイムを最小にして環境を入れ換えたいというのが今回のメインテーマだ。
ミニマムハード環境を構築せよ。そしてアプリを入れろ
筆者の既存デスクトップ環境はいわゆるミドルタワー型で、結構な大きさと重量があるため、これは最後の最後まで手を入れたくない。普段の原稿執筆も最近のオンライン説明会も基本はデスクトップで作業しているので、移動どころかできれば電源を切るのも最後にしたい。そこで、まずは別のスペースで新マシンの最小構成環境を作ることにする。
GPU(グラフィックスカード)がなければその辺の雑誌や板切れの上でもよいのだが、今回はグラフィックスカードを固定できるように組み付ける必要があるので、SFXの小型ケース(なぜかこれもExpress5800だったりする)を用意して固定した(新旧環境ともマザーボードはマイクロATX)。SFX電源の小型ケースだとマザーボードのEPS12VコネクタやGPUが要求する6ピン電源コネクタがないので、これは新環境の電源を使った。
自宅メイン環境はデュアルディスプレイで、片方を作業用に使う手もあったが、モバイルディスプレイを使った。これにその辺に転がっていたキーボードとトラックボールを接続して動作させた。
OSは最新版のWindows 10 Pro 20H2とした(きちんと動くなら最新にしておく)。インストールUSBメモリを作って起動すればよい。ついでにOffice 2019もインストールして、それぞれアクティベーション。問題はこの先だ。
作業環境のリプレース≒今まで使っていた環境と同じ程度のアプリを入れないとダメなので、リストを作った(移行には棚卸作業が重要だ)。
ProgramFiles(x86)とProgramFiles以下のフォルダを見て、現在インストールしているアプリを確認してリスト化。その後スタートメニューとデスクトップのショートカットを見ながらリストを追加する。
私の場合はごく少数だが、一部ポータブルアプリ化しているものがあり、これはProgramFiles以下には入っていないし、全ユーザーが使用しないアプリは別のフォルダに入っている。そして新環境にアプリをインストールしていく。これをやることで「あ!このプログラムが入っていなかった」というミスを減らそうというわけだ。
今回、ややトラブったのはPaSoRi関係で、SC-S320(「黒パソリ」の最初のモデル)の動作テストでエラーとなったが、こんなこともあろうかと買っておいたSC-S380(現行モデル)を使うことで解決した。PaSoRiが使えないとe-Taxが出来なくなってしまう。
もう一つ「(個人的に)最重要ポイント」があった。それは「WinFDが動く事」だ。MS-DOS時代にFDと言うファイラーアプリがあり、そのWindows版クローンがWinFDだ。
10年以上開発がストップしているシェアウェア(正式版の最新版は1999年!)だが、私は今でも愛用しておりこれは手放したくない。テスト的に入れてみるとなんとか動く……あれ? 表示がイマイチおかしい。
横幅が変更できず、ファイル名一行表示で表示がヘンだ。これは困ったと思ったが、よくよく見ると旧環境とバージョン表記が違う。新環境にインストールしたのは現在もサイトで公開されているβ版。しかし今の環境で使っているのは「(少数の)βテスターに配布されたバージョン(Build 627)」だ。これならばWindows10でもWinFDが使えるようだ。