薄く軽く使いやすい1台、ゲームを含む実性能をチェック

ここからは性能チェックに移りたいと思う。まずは、「PCMark 10 v2.1.2506」、「3DMark v2.16.7113」、「CINEBENCH R20」、「CrystalDiskMark 8.0.0a」の結果から見ていこう。電源モードはすべて「高パフォーマンス」に設定してテストを行っている。

  • PCMark 10 Standardの結果

  • 3DMark Fire Strikeの結果

  • 3DMark Time Spyの結果

  • 3DMark Night Raidの結果

  • CINEBENCH R20結果

  • CrystalDiskMark 8.0.0aの結果

  • CrystalDiskInfoで表示させたNVMe SSDの詳細。Western Digital製だった

Tiger LakeはPCI Express 4.0への対応も目玉だが、本機のNVMe SSDはPCI Express 3.0 x4接続。とはいえ、シーケンシャルリード、ライトとも3,000MB/sオーバーと十分高速だ。

CPU内蔵のグラフィックスが「Intel Iris Xe Graphics」ということもあり、ゲームもどの程度プレイできるか気になる人も多いだろう。軽めのゲームとしてFPSの「レインボーシックス シージ」と「VALORANT」。中量級のゲームとして「Apex Legends」と「ストリートファイターV」、重量級ゲームとして「モンスターハンターワールド:アイスボーン」を試して見た。

レインボーシックス シージは内蔵のベンチマーク機能で測定した。比較的軽めのゲームで、画質を中設定ならフルHD解像度で平均61fpsと快適にプレイできる。ただし、まだドライバーに問題があるのか、画面にノイズが入ることも。そこは改善を期待したいところだ。

VALORANTは射撃場を一定コース移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測している。軽いゲームだけに画質設定をすべて最高まで上げても平均60fpsオーバー。快適に楽しめる。それほど高い3D性能はないが、軽めのゲームなら遊べるのはうれしいところだ。

  • レインボーシックス シージのフレームレート

  • VALORANTのフレームレート

「Apex Legends」は、トレーニングモードで一定コースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで測定した。Apex Legendsは一括で画質を調整するプリセットは用意されていないが、画質の各設定を最低まで下げると平均60.0fpsと快適にプレイできるフレームレートになった。Apex Legendsは画質を下げてもそれほどグラフィックのクオリティが下がらないので十分楽しくプレイできる。

「ストリートファイターV」は、「STREET FIGHTER V ベンチマーク」を使用した。画質を中設定にすれば、平均59.32fpsとほぼ60fpsを達成。問題なくプレイできる。さすがに最高画質にするとカクつきが多く、快適なプレイは難しい。

  • Apex Legendsのフレームレート

  • ストリートファイターVのフレームレート

「モンスターハンターワールド:アイスボーン」は集会エリアを作成し、一定のコースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測した。さすがに重量級ゲームだけ合って、画質を低設定にしてもフルHD解像度では平均38.0fpsと快適なプレイは厳しい。プレイをするなら解像度を下げる必要があるだろう。

  • モンスターハンターワールド:アイスボーンのフレームレート

薄型軽量ボディだと発熱も気になるところ。ベンチマークソフトの「CINEBENCH R23」を10分間実行したときの、CPUの動作クロック(Core 0コア)とパッケージ温度をHWiNFOで追ってみた。

  • 動作クロック(左軸)とCPUパッケージ温度(右軸)の推移

CINEBENCH R23の開始と同時にCPUのパッケージ温度は91℃に跳ね上がり、コアによっては速攻でサーマルスロットリングが有効になりクロックの低下がスタート。約3分経過後は2.5GHzあたりまでクロックは下がるが、CPU温度も70℃付近で安定。6分過ぎから2GHzあたりまで動作クロックが落ち、CPU温度も64℃付近で安定した。Intel Iris Xe Graphicsとしてはもう少しゲームでフレームレートが出るかと思ったが、薄型ゆえに熱が大きくなればクロックを落とすなどシビアにコントロールしているので、伸びが今ひとつだったと考えられる。Tiger LakeはノートPCの設計に合わせてTDPの調整が可能なCPU。本機の場合は、恐らく最大TDPで動作する設計にはなっていないのだろう。Core i7-1165G7は12W~28Wで調整可能になっているが、HWiNFOで見る限りTDPは最大15Wに設定されていた。

それでも、相当高いスペックを要求するゲームではなければ、画質をうまく設定すれば十分にプレイできるだけのグラフィック性能はある。CPUの基本性能は高く、メモリも16GBと余裕があり、Webカメラも備えているのでテレワークを余裕でこなせるだけではなく、4Kの有機ELパネルは動画を見るのにも最適。タブレット型やテント型にもできるので、映像コンテンツをダラダラと楽しみやすいのもよいところ。モバイルノートの万能選手として活躍してくれる1台だ。