今回は1時間番組を3本制作したが、収録期間は「丸5日くらい」と手間をかけている。売れっ子のメンバーたちを、年末年始特番の収録が行われる時期に押さえるのは「大変でした(笑)」と吐露するが、そんな中でも、出番のあるなしにかかわらず、メンバーの入り時間を全員合わせ、収録スタジオに立ち会うというルールがある。
「心苦しい部分もあるんですけど、それによってできる“ノリ”というのがあるんですよね。他の演者の笑い声が入ってくるのも大きいですし、かなでのコーナーに出ていないけど、それを見ている都築のツッコミ(※声だけ)が使われるということもありますから」
これは、『めちゃイケ』から続くイズムだそうで、「企画やコーナーによって主役が変わるじゃないですか。そのときに、主役をみんなでもり立てるというチーム感があるので、その部分にフジテレビっぽさがあるのかもしれないです」と自己分析した。
フジテレビに流れるイズムとしては、“スタッフ主導型”という作り方も挙げられる。
「コント番組は、大きく分けて制作が作るか、芸人さんが作るかの2パターンがあると思うんです。あくまで持論ですが(笑)、フジテレビは制作が主導で作ることが多く、美術や照明との絡みによって面白くなる“テレビコント”が強みになっている。まず制作から提案するというのが基本なので、今回のように一緒に相談できる芸人さんたちがいると、とてもやりやすいですね」
■“怖さ”のない現場「仲の良さって大事」
そんなメンバーたちは「ぺこぱさんが、3時のヒロインや四千頭身より年齢的に上なんですけど、2人ともめちゃくちゃいい人なんです。松陰寺さんはリーダーシップのある人なのでまとめてくれますし、シュウペイさんは常にボケまくってるし(笑)、だいぶメンバーの雰囲気がいいですね。こういう仲の良さって大事だなと思いました」と実感。
ひと昔前の制作現場は、“怖さ”の空気も流れていたと伝わるが、「僕のキャラクターもありますけど、“怖い”という雰囲気はないですね。『おまえスベったら殺すからな』とか言わないんで、そのへんは令和ナイズされてるかもしれないです(笑)」と伝統を引き継ぎながら、時代に合った番組作りを打ち出している。