女優の仲里依紗が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、20日に放送される『母さん ごめん ダメ息子の涙 ~六本木キャバクラボーイ物語~』。女性の家に転がり込み、母親に持たされたクレジットカードを使い込む日々を送る“ダメ息子”ゆうせいさんを3年にわたって追った作品だ。

その姿に「どうしようもないな…」とあきれながら、なぜか憎めない性格に感心もした様子の仲。自身の幼い子供の子育ての参考にもなったようで――。

  • 『ザ・ノンフィクション』のナレーション収録を行った仲里依紗

    『ザ・ノンフィクション』のナレーション収録を行った仲里依紗

■『ザ・ノンフィクション』の幅広さに驚き

キャバクラのボーイでアルバイトの身であるにもかかわらず、仕事中に酒を飲み、遅刻や給料の前借りも当たり前。女性の家に転がり込み、家賃や生活費も食事も全て彼女持ち。その上、母親に持たされたクレジットカードで実家に着払いで洋服や靴を買い、温泉宿にも行って激怒させる……。

そんな絵に描いたような“ダメ息子”っぷりを見た仲は「今の30歳前の男性って、夢がないという人が結構いると聞くから、こういう人は多いのかなと思いましたね。でも読んでいて、もうどうしようもないな…みたいな感じになっちゃいました(笑)」と苦笑い。

実家の着払いで買ったスニーカーをバッグに入れて持っていこうとする場面には「本当に子供だなと思いました(笑)。うちの子供みたいで、男の子っていつまで経ってもこうなのかなって思いますよね」と、あきれ返った。

『ザ・ノンフィクション』でナレーションを担当するのは、人力車の世界で奮闘する若者たちを追った『ふりむけば鎌倉II~人力車にのせる夢』(13年7月21日放送)以来7年半ぶりとなるが、「努力の人とどうしようもない人で、天と地みたい(笑)。すごく幅広くて、面白かったです」と、そのギャップの大きさに驚いた様子。

ドラマや映画の演技と違い、ナレーションの仕事は「客観的に見ながら声を当てられるから、すごく楽しいですね。演じるときは自分しか見えてないんですけど、今回だとお母さんの気持ちにもなれるし、ゆうせいさんの気持ちにもなれるし、いろんな人の気持ちになれるので」と発見があったようだ。

■妹も起こした“着払い事件”

それでも、なぜだか憎めないゆうせいさんの性格に、「たぶん根は本当にいい人だと思うんです。だから、母性本能をくすぐる何かがあって、彼女もみんなお金を払っちゃう。本当に甘え上手なんでしょうね」と分析。「スーパーポジティブですから、あの能天気さはすごく素敵ですよね。何があってもへこたれない感じで、メンタルもすごく強いんだろうなと思います。真面目なときでもふざけたりして、人を和ませようとしているので、逆にすごく気をつかう人なんでしょうね」と感心する面もあった。

しかし、やはり「家族だったら、相当頭を抱えるような子だと思いますね(笑)」と想像。実は、かつて自身の妹にも「“着払い事件”がありました。あそこまではいかないですけど、お金がないのに実家に着払いさせて、買っちゃうんです」と明かし、「うちの妹も憎めないような感じなんですよ」と共通点を感じたという。

  • ゆうせいさん(左)と母親 (C)フジテレビ

ゆうせいさんの場合は、母親が自分の甘さを打ち明けているが、「うちの場合は父が甘かったんですよ。だからちゃんと子離れしなきゃいけないときが来るんだろうなと思いますね。いつまでも親だけど、ちゃんと自立させるためには突き放すことも必要なんだと思います」と再確認。

翻って自身の子供に対し、「優しすぎるのもダメなんだと思いました。うちの子もちょっと甘え上手なんで危ないと思ったから(笑)、ちゃんとしつけないといけないなって気付かされました」と、子育ての参考になったようだ。