――第10章では、ブレイズ、セイバー、エスパーダの"3人同時変身"が見られました。みなさんそれぞれの"呼吸"を合わせ、同時に変身ポーズを取るカットはやはり苦労されたりしますか?
テストのときにはなかなか動きが合わず、3人とも苦戦するんですけど、本番になると意外と一回でうまくいったりするんですよ。まさに"阿吽の呼吸"といいますか(笑)。
――第5章では師匠の仇であるズオスに闘志を燃やしたり、第11章では賢人をかばってカリバーの凶刃を受けたり、普段が物静かなイメージの倫太郎だけに時折見せる"激しさ"が強く印象に残りますね。
人間の感情が思いっきり出る芝居がすごく好きなので、第6章のラストで挫折を味わった倫太郎が激高するシーンは、とても気に入っています。カッコいい部分だけじゃなく、カッコ悪い面をさらけ出すことができたのが気持ちよかったんです。これからも、倫太郎の感情がむき出しになるようなところを全力で演じていきたいと思っています。表情とか、身振り手振りがカッコ悪くなってもいいから、与えられた状況の中で人間の感情を強く表現したい、という気持ちが強くなってきているんです。
――共演者のみなさんのチームワークはいかがですか?
みんな「役」を演じてはいますが、ノーザンベースや「ファンタジック本屋かみやま」に集っているときの雰囲気は、撮影していないときとあまり変わりませんね。テレビを観てくれた知人から「みんな本当に仲が良さそうだね」って言われたことがあります。現場でのキャスト同士の仲の良さというのは、映像を通しても絶対に"伝わる"はずだよね、と最初のころから話していましたし、実際に伝わっているのがわかると、とてもうれしいです。
現場のムードメーカーは、仮面ライダーバスター/尾上亮役の生島勇輝さん。他の剣士たちよりも年齢が上で、役者としても経験豊富なので、自然とみんなを"引き締め"てくれますし、盛り上げ役も引き受けてくださいます。
トークが面白く、常にみんなの中心にいるのは青木瞭くんです。僕や川津さんはいつも「僕たちが何かしゃべらなくても、瞭くんが面白い話をしてくれるから、ただ聞いてるだけでいいよね」なんて、いつも楽しませてもらっています。
あと、ストリウス役の古屋呂敏くん、レジエル役の高野海琉くん、ズオス役の才川コージくんとも仲がいいんですよ。彼ら3人のことをみんなは「バッドボーイズ」と呼んでいて(笑)、現場ではあまり一緒になる機会がないのですが、たまに会ったりすると、敵・味方関係なくみんなでワイワイとお話をしています。普段はそんな空気なんですが、演技となるとみんな瞬時に凶悪なメギドになりますね。ですからこちら(剣士)側も自然に、身構えてしまうんです(笑)。
――ノーザンベースの剣士たちを裏切りメギド側についている仮面ライダーカリバーの正体、先代"炎の剣士"上條大地を演じる平山浩行さんとお話をされたことはありますか。
平山さんはとても優しい方で、昔の失敗談とか、サウナが好きでよく行くとか、気さくに話しかけてくださいます。積極的に後輩とコミュニケーションを取ってくださる平山さんを見て、僕も将来、後輩に優しい俳優になりたいなって思うようになりました。
――テレビシリーズの今後の展開も楽しみですし、現在公開中の『劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本』にも注目が集まっていますね。第1、2章で『セイバー』の基本要素を築き上げた柴崎監督と久々にお会いして、どんな印象を持たれましたか。
まさに、倫太郎というキャラクターを1から"作って"くださったのが柴崎監督なので、久々にお会いできて、ホッとしました(笑)。倫太郎の演技については、特に何か指示をいただいたわけではなく「ああ、そういう感じになったんだね」みたいに、僕の芝居をすべて受け入れてくださった感じです。
――劇場版に登場する"不死身の剣士"こと仮面ライダーファルシオン/バハトを演じる谷口賢志さんの印象はいかがですか?
事前に『仮面ライダーアマゾンズ』アマゾンアルファ/鷹山仁の鬼気迫る演技を観ていましたし、バハトのメイクや衣装がとにかく怖い印象だったんですが、現場に来られて僕たちにご挨拶してくださった谷口さんは、とても優しい方……。でも、いざ役に入るととんでもなく怖い芝居をして、僕たちも役としておののくのではなく、谷口さんの雰囲気に押されて素でビビっていました(笑)。すごい役者さんだなあと、改めて感じました。ファルシオンもカッコいいんですけど、ブレイズとしては「負けてはいられないぞ」と一方的にライバル心を燃やしています。というのも、ファルシオンのスーツアクターを務めているのも永徳さんだからです。ブレイズとファルシオンで、永徳さんの奪い合いをしているわけです(笑)。
――映画のここを観てほしい!という注目ポイントを教えてください。
今回の映画は終始バトルの連続で、6人の剣士が激しい戦いを繰り広げます。映画ということでスケールが大きく、エキストラさんの数も、スタッフさんの数もテレビシリーズの倍くらい集まっていて、CGもたくさん使われています。短編ではありますが、とても内容の濃い作品となっていますので、楽しみにしてほしいです。倫太郎の見どころとして、テレビシリーズでは食べられなかった「エクレール・オ・ショコラ(エクレア)」を、映画では食べることができるのか?という部分にも注目してみてください(笑)。
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