――最終回のラストシーンで"悪意"を乗り越えた或人が、"復元"を果たした新しいイズに「アルトじゃ~ないと」をラーニングしようと試みるくだりでは、高橋さんと鶴嶋さんのお2人でかなり"アドリブ"演技を入れられたそうですが、そのときのことを教えてください。
最後のシーンは或人とイズを長回しで捉えて、何回もタイミングをずらして「アルトじゃ~ないと!」とやっていました。杉原輝昭監督に対し、1年間で或人もイズもこんなことができるようになりました!というところを見ていただきたくて、2人でずっとギャグを続けたんです。そうしたら、杉原監督はずっとカメラを止めないで長回しを続けてくださって、私たちも満足いくまで芝居をさせてもらえたんです。
――テレビシリーズ最終話を撮り終えたとき、どんなことを思われましたか。
私にとっては、初めての"お芝居"で、見ること聞くこと何もかもが初めて体験することばかりでした。終わったときは、1年以上にもわたる長い撮影を乗り切った!という心地よい達成感を感じることができました。
――鶴嶋さんのテレビシリーズでのラストカットはどんなシーンでしたか。
ラスト手前、エスにエデンドライバーを手渡すアズのシーンでオールアップでした。直後にはスタッフ・キャストのみなさんが集まってくれて、みんなでイズではなくアズを囲むという、謎な"画"でしたね。それまでに、キャストひとりひとりがアップするたびに、感極まってもらい泣きしてて、泣きすぎたのか自分のときは平気かな?と思って初めはニコニコしてたんですよ。でも、1年間ご一緒にやってきて、すごくお世話になったスタッフさんたちに囲まれたとき、やっぱりウルウル来てしまって、結局涙・涙のオールアップとなりました。
――今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、例年では春や夏に行われるファンに向けたイベントがのきなみ中止となって残念でしたが、放送終了後の「ファイナルステージ&番組キャストトークショー」(2020年9月27日~10月18日)のほうは、ウイルス感染防止対策を厳重に取った中で大阪、名古屋、福岡、東京の開催が行われました。ファンのみなさんと顔を合わせることのできるステージショーに出演されたときのお気持ちを聞かせてください。
今回は観客のみなさんが"声"を出すことができないため、ゼロワンをはじめとする仮面ライダーたちを応援していただくときに"手拍子"を打ってくださったりしましたね。通常のステージと変わることなく、みなさんの熱い気持ちが伝わってきて、とてもうれしかったです。トークショーでは、ペンライトを私たちのイメージカラーに切り替えていただいたりして、ファンの方々の"一体感"が感じられました。正直、もうこれで"最後"なんだな……という実感がわかず、とてもうれしい気持ちを維持したまま、みなさんに1年間の感謝の心を伝えることができたと思っています。