トラックボールマウスは本体を据え置いたまま、ボールのみを動かしてポインタを動かせる製品です。持ち上げたり動かす必要がないことから、確かに手首が疲れません。

ただ、筆者のようなトラックボールマウスの初心者は、慣れるまで親指が少し疲れるかもしれません。手のひらを斜めに添えてホールドするERGO M575は本体のサイズが大きすぎないので、スクロールホイールやボタンに自然と指が乗せられます。

iPad Airとペアリング。ポインタ操作多めの人におすすめ

ロジクールのプレミアムクラスのワイヤレスマウス「MX Master 3」に比べると本体は少し大きめですが、使用時はマウスを動かさないので、結果的にマウスが占めるデスクのスペースは省けます。家族と一緒に暮らす自宅で在宅ワークができるスペースが限られているビジネスパーソンのかたにはうってつけといえるワイヤレスマウスです。

仕事でよく使うiPad Airにも、ERGO M575をペアリングしてみました。マウス本体の底部にあるペアリングボタンを長押しして、LEDが青色に点滅するとペアリングモードに入ります。あとはiPadのBluetooth接続機器からM575を選択するだけで、スムーズに接続できました。

  • iPadOSにも対応するERGO M575をiPad Airにペアリングして使ってみました

iPad専用Magic Keyboardのトラックパッドは、キーボード/ケースと一体化しているためペアリングが不要なことや、可搬性に優れています。トラックパッドがあるのにマウスも? と思うかたもいるかもしれませんが、ポインティングデバイスとしてERGO M575の操作感はiPadでも健在でした。この操作感が気に入って、さらにMagic Keyboardの心地よいタイピング感が手放せないのであれば、一緒に使う意味はあると思います。もしMagic Keyboardにこだわらないのであれば、トラックパッドのないキーボード一体型ケース「Smart Keyboard Folio」とERGO M575の組み合わせもアリでしょう。

省スペースで使える点はテレワーク向き、ただしやや重め

オフィスや自宅を離れ、テレワークで仕事をする機会が多いかたにとって、M575は使いやすいワイヤレスマウスといえるのでしょうか。

テーブルがあまり広くないカフェやコワーキングスペースで仕事をせざるを得ない状況では特に、マウスの稼働スペースを最小限に抑えられる本機はよい選択肢だと思います。

一方でバッグに入れやすいサイズ感で選ぶならロジクールの小型マウス「MX Anywhere 3」も性能と軽さを兼ね備えたよい選択肢になりそうです。本体の重さを比べるとERGO M575が145g、MX Anywhere 3は99gと圧倒的に軽量です。

  • 左がMX Master 3、中央がERGO M575、右がMX Anywhere 3。ERGO M575とのサイズ感の違いは写真のようになります。ちなみにロジクール製品ではこのほか、実勢3,000円強でクリック音がかなり静かなワイヤレスマウス「M590」も、使用時にガチャガチャ音がせずテレワーク向きだと思います

MX Anywhere 3のバッテリーは繰り返し充電できるので経済的です。かたやM575もBluetooth使用時で最長20カ月、USBレシーバーを使えば最長24カ月の電池寿命という強烈なスタミナ仕様。電源は1本の単3形乾電池でまかなえます。単3形乾電池は外出中でも容易に手に入れられるので、出張中のバッテリー切れもさほど不安に感じられないと思います。

試しやすい価格も魅力、トラックボール入門におすすめ

MX Anywhere 3の直販価格は10,780円(税込)ですが、ERGO M575は6,050円(税込)とコスパのよいワイヤレスマウスです。トラックボールマウス全体のなかでも“ミドルハイ”の価格帯に位置するモデルで、トラックボールタイプのワイヤレスマウスは使ったことがないというかたも試しやすい価格感です。

新型コロナウィルス感染症の影響が長引く中、積極的にテレワーク・モバイルワーク環境のブラッシュアップを図って、より働きやすい環境づくりを極めたい方に、この冬はロジクールの新しいトラックボールマウスERGO M575をマスターしてみてほしいと思います。