ロジクールからトラックボールを搭載するワイヤレスマウス「ERGO M575」が発売されました。トラックボールマウスにはあまり馴染みのなかった筆者ですが、Win/Macのほか、筆者がメインで活用しているiPadにも対応したM575がワークスタイル革命をもたらしてくれることに期待して、MacBook AirとiPad Airで使ってみました。
ロジクールの親指トラックボールマウスが一新
ERGO M575は10年選手のロングセラーであるロジクールのトラックボールマウス「M570」の後継機です。人間工学に基づいたエルゴノミクスデザインのエッセンスを取り込み、5つのボタンを組み合わせて快適な操作性と高機能を追求しています。
パソコンとの接続はBluetooth、または2.4GHzデジタル無線を使うロジクールのUnifyingに対応します。Unifying対応のUSBレシーバーは、本体裏側にあるバッテリーボックス(単3形乾電池×1本)のフタを開いた内側に格納できます。
対応するOSは、Bluetooth接続の場合がWindows 8以降、macOS 10.13以降。iPadOSは 13.4以降からBluetooth接続のみをサポートします。USBレシーバーで接続する場合の対応環境はWindows 7 / macOS 10.13以降です。
今回筆者はMacBook Air/macOS 10.15.7をテストのリファレンス環境としています。BluetoothとUnifying、両方の接続方法を比べてみましたが、筆者の環境ではポインタ動作の正確さに違いを感じませんでした。最新のMacBookにはUSBレシーバーを直結できるUSB-A端子がなく、MacBook AirはUSB端子の数が限られているので、どちらかといえば端子を塞がないで済むBluetooth接続がおすすめです。
マウスのコンフィグ用アプリケーション「Logicool Options」は、本稿を執筆している2020年11月末時点ではiPadOSを除く、Win/Macのプラットフォームにのみ対応しています。例えば「Microsoft Teamsがアクティブな時に中央ボタンをクリックするとミュート」といった具合に、戻る/進む、スクロールホイールの3つのボタンにはそれぞれアプリごとに機能を割り当てられます。
親指にボールが吸い付くような操作感!
実は筆者、トラックボールというポインティングデバイスがどちらかといえば苦手でした。食わず嫌いなところもあるのですが、過去にいくつかの製品を試したときにボールの動きが緩慢だったり、反対に制動が効きづらいものばかりと出会ってしまい、トラックボールは使いづらいという印象がすり込まれていたと思います。
ロジクールのERGO M575は35mmトラックボールの操作感が驚くほどに心地よく、トラックボールに対する余り良くない先入観を一息に吹き飛ばしてくれました。
本機のトラックボールは3層構造になっています。コアは最適なボール慣性が得られるように密度を調整して、その上から高密度粒子コーティングと透明コーティングをかけることによって「安定感と滑らかさの両立」を目指しています。
ポインタの速度はLogicool Optionsから細かく調整できます。自分に合う速度設定が見つかれば、名サッカー選手のリオネル・メッシやキャプテン翼のドリブルのように「ボールが吸い付いてくる」ような操作感を手に味わうことができるでしょう。
筆者の場合は、例えばカメラから写真データをMacBook Airに取り込んで、Adobe Photoshopで画像を整える作業も、ERGO M575のトラックボールの速度を最適化した後は、正確に修正箇所をポインティングしながら細部を手直しできるようになりました。トラックボールの動きに違和感を感じるかたは、ユーティリティでポインタ速度の調整を丁寧に行うことをおすすめします。