俳優の磯村勇斗が、現在放送中のTBS系金曜ドラマ『恋する母たち』(毎週金曜22:00~)で、吉田羊演じるキャリアウーマン・林優子に思いを寄せる部下・赤坂剛を好演している。2人の恋の行方、そして、刺激的な壁ドンやラブシーンがSNSで話題だ。
『ひよっこ』では好青年のヒデこと前田秀俊、『今日から俺は!!』では最凶ヤンキー・相良猛、『きのう何食べた?』では小悪魔キャラの同性愛者・ジルベールこと井上航……作品によって全く違うキャラクターを演じてきた磯村が、『恋する母たち』では大胆なラブシーンもある人妻への一途な愛を熱演している。
「ヒデ、相良、ジルベール…今回の赤坂くん。どれも違いすぎてすごい」「演技の幅が広い」といった声も上がっており、赤坂役で改めて演技の振り幅を見せつけている磯村。そんな磯村に、俳優としての原点や転機、そして『恋する母たち』での挑戦について話を聞いた。
磯村は、中学生のときに映画を自主制作したことがきっかけで俳優業に興味を持ち、高校時代に地元・沼津の劇団「沼津演劇研究所」に所属し、初舞台に立った。それ以降もさまざまな舞台を経験し、芸能界入りを果たすと2015年『仮面ライダーゴースト』のアラン/仮面ライダーネクロム役で注目を集め、その後、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』でヒロイン・みね子と結婚するヒデこと前田秀俊を演じ、一躍お茶の間に存在が知れ渡った。
演技を1から教わった沼津演劇研究所は、磯村の原点だという。「今の自分の俳優のスタイルはそこで学んだことがベースになっている。感謝する気持ちや礼儀はもちろんのこと、役に対してしっかりアプローチしていく姿勢、考える力は沼津演劇研究所で教わりました」
中学生のときに俳優になりたいと思ってから、20歳過ぎてドラマや映画に出演し始めるまで、夢に向かって小劇場で演技を磨き続けた磯村。その夢がブレたり、諦めることはなかったそうで、「この世界に入るまで、ずっとそこを目指して進んできました」と振り返る。
それだけ演じることにやりがいを感じているそうで、「面白いですね」としみじみ。「いろいろな人物を役で体験できるというのがやはり面白いですし、見てくれた人たちが勇気を持ってくれたり生きる喜びに結びつけてくれるとすごくうれしくて、誰かのために演じられるというのがいいなと思います」と生き生きと語る。
舞台で経験を積んできた舞台出身者ならではの強みもある。磯村自身は「舞台上に立つと俳優たちしか進めることができず、誰も助けてくれません。ドラマや映画の撮影は、『もう1回お願いします』と言えばやり直せる環境ですが、本番としてカメラが回ったら何があっても進めていく、そこで起きていることを大事にするというところは、舞台をやってきてよかったなと感じています」と分析する。