――女優デビュー当初は癒やし系のイメージがありましたが、そこからかなり印象が変わった気がしますが。
デビューして数年間は、『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』(18年)の真冬ちゃん役や、『I"s』(同)の伊織ちゃん役など、女の子らしくてふんわりした役が多かったので、そういうふうに書いていただいたこともありました。でも、自分的には「本当に!?」と思っていたんです(苦笑)
――その後、脱・癒やし系的なターニングポイントとなった作品とは?
『絶対正義』(19年)の範子役でしょうか。そこから、いろいろな役をいただけるようになっていったので。あの作品で、仕事に対する向き合い方が変わった気がするので、本当にあの役をやらせてもらって良かったなと思いました。また、原作小説もすごく好きだったので、その映像化作品に自分が参加できたということもうれしかったです。
■“負の感情”を自らの武器に
――今後、ますますのご活躍が期待されますが、ご自身の誰にも負けないと思える武器は何でしょうか?
武器ですか!? 何でしょう(苦笑)。それがいいか悪いかは別として、私は作品によって顔が違うと言ってもらえることが多いんです。もしかして、パッと見て「白石聖」として認識してもらったほうがいいのかもしれませんが、私自身はどんな作品においても、違う人間として映ることができているのなら、個人的にはすごくうれしいです。
また、『恐怖新聞』を含め、今までいただいた役は、泣くシーンがめちゃめちゃ多かったので、そっち寄りの負の感情については、すごく考える時間が長かったから、そこの表現も自分の武器にできればいいのかなとは思います。
――2016年に『AKBラブナイト 恋工場』で女優デビューしてから4年が経ちましたが、これまでに大きな壁にぶち当たったり、挫折しそうになったりしたことはありましたか?
いろんな方々のインタビュー記事を読むと、自分的にまだそういう大きな壁には当たってないなと思います。おそらくこれからすごく大きな挫折などを経験することになりそうだから、ちょっと怖いですね。
――憧れの女優さんや目指すべき女性像について聞かせてください。
好きな女優さんはたくさんいますが、そこを目指してもその方には到底なれないとも思っています。だから、まずは女優というよりも1人の人間として、女性としてしっかりと芯を持った人になりたいです。
●白石聖
1998年生まれ、神奈川県出身。16年に連続ドラマ『AKBラブナイト 恋工場』で女優デビュー。連続ドラマ『I"s』(18~19年)では、約700人が参加したオーディションで、ヒロイン・葦月伊織役を獲得。20年に『恐怖新聞』で連続ドラマ初主演。同年、ファースト写真集『白石聖 2016-2020』も発売。映画の主な出演作は『PRINCE OF LEGEND』(19年)、8Kショートフィルム『Three Trees』(同)など。今後『サイレント・トーキョー』が12月4日に公開、ヒロインを務めた『胸が鳴るのは君のせい』が2021年に公開予定。初の写真展『-COLOR-(カラー)白石聖×関根一弘』が東京・渋谷のtokyoartsgalleryで11月29日まで開催中。