我々の生活のごく身近にありながら、あまり知らない「自動販売機」のこと。通りすがりに業者さんが中を開けて補充しているところに出くわすと、ついつい覗いてしまいがち。中はどうなっているのか? ホット商品が並ぶのはいつから? スーパー、コンビニ商品との違いは? 等々、自動販売機にまつわる疑問は意外と多い。そこで今回は、サントリーオフィスにお邪魔して、サントリービバレッジソリューション 事業推進本部の岩田章宏さんと金澤奈々さんに、自動販売機について詳しく教えていただいた。
自動販売機って今どれぐらいあるの?
現在、自動販売機(以下・自販機)は他社も含めると全国で230万台ぐらい展開されています。一時期は、自販機の設置台数を各社で競って拡大傾向にあったんですけど、今はコンビニがあったりドラッグストアが増えてきたり、色んな場所で飲料をお買い求めいただけるようになっているので、ある程度しっかりと売れる場所に商品が集約されるようになっています。そのため、台数自体は年々減少傾向にあります。
サントリー自動販売機の種類
基本的には、青色のBOSSのおじさんがデザインされた自販機で展開しています。一部、病院やショッピングセンター等、景観上の理由で「すべて真っ白なものじゃないと駄目」とか、ご指定をいただく場合があったときには、白い自販機をご用意させていただくこともあります。また、設置スペースが限られた場所では、できるだけコンパクトな自販機を用意しないといけないので、幅が70cmぐらいのものなどもあります。幅が小さい分、中に入れられる商品数は限られてしますのですが、こうした小型のものから大きいものだと横幅が倍ぐらいあり、商品ラインナップも倍ぐらい入る自販機もあります。
自動販売機についている広告
新商品や、自販機に入っている商品に関わっているキャンペーンなどを、告知のタイミングに合わせて自販機の管理・運営や商品の投入などを行う「オペレーター」と言われる会社の方に貼り付けていただいています。例えば、自販機の下についているキャンペーン告知ツールとか、上に貼り付けてあるツール等があります。設置先によって、貼り付けないでほしいという場合もあるので、そういうところには貼っていないです。最近は、設置場所のニーズによってツールの種類を分けていまして、学校なら炭酸系のツール、会社系だと「クラフトボス」が入っていることが多いので、そのツールを貼ったりします。
自動販売機の進化
法人向けに、「健康経営」を支援するアプリ「SUNTORY+(サントリープラス)」を開発しまして、そのアプリと連動したポイントサービス「サントリー GREEN+(グリーンプラス)」を導入した自販機もあります(アプリ内にポイントが貯まり、貯まったポイントでサントリーの“トクホ飲料”に交換することができる)。オペレーションの方でも、昔は1台1台インターネットにつながっていなかったので、「何が何本減っている」というのをメモしてトラックに取りに行っていたんですけど、現在はデータが飛ぶようになっていまして、「この自販機には何が何本足りない」ということがわかるので、1回1回戻ることがなくなりました。そうしたオペレーション面の進化はありますね。