2011年にミュージカル『テニスの王子様』で俳優デビューし、今年7月に10年目に突入した志尊淳(25)。戦隊ヒーローからイケメン生徒、トランスジェンダー役まで、幅広い演技力で作品ごとに新たな魅力を見せている。コロナ禍においては、「#志尊の自粛部屋」と題したインスタライブでファンに寄り添い、ファンの思いを歌詞にした楽曲の発表や、医療従事者への支援も注目を集めた。

プレイヤーが自身で“選択”してゲームを進めていくタクティカルRPG最新作『WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争』の新CM「人生の選択」篇では、「選ぼうよ。本当に選ぶべき自分を」とメッセージを送っている志尊にインタビューし、人生最大の選択や10周年目に突入した心境、コロナ禍における発信について話を聞いた。

  • 志尊淳

    志尊淳 撮影:蔦野裕

これまでの人生における“最大の選択”は、所属事務所ワタナベエンターテインメントの養成所に入った約10年前の決断だという。「スカウトしていただくようになって芸能界に興味を持つようになったのですが、何もできないからまずは養成所で学びたいと思い、養成所に入ることにしました。その選択をしたから今の自分があります」

また、中学生のときに18キロのダイエットに成功し、そこからスカウトを受けるようになったと告白。ダイエットしようと思ったきっかけを尋ねると、「少し痩せたときに、このままもっと痩せられるかなという感じでした。やると決めたらとことんやるタイプなので。特にきっかけがあったわけではないですが、それがあったからこそ今があると思います」と答えた。

そして、養成所に通っている時に受けたミュージカル『テニスの王子様』のオーディションに合格してデビュー。それを機にワタナベエンターテインメント所属となるが、「『よし! この道で頑張ろう』と決めたわけではなく、養成所で学んでいる間にお仕事をいただいて、気がついたらこの道に進んでいたという感じです」と当時の心境を明かし、「右も左もわからず、とにかく最初は『テニスの王子様』だけをやろうという思いでした」と当時を振り返る。

その後、数々のドラマ・映画・舞台に出演。2014年に『烈車戦隊トッキュウジャー』(テレビ朝日)で主人公のライト/トッキュウ1号を演じて一躍人気者に。2018年は『女子的生活』(NHK)でトランスジェンダーの役に挑戦し、文化庁芸術祭テレビドラマ部門放送個人賞を受賞するなど高い評価を得た。同年放送のNHK連続テレビ小説『半分、青い。』の“ボクテ”こと藤堂誠役も印象深い。『劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』、『HiGH&LOW THE WORST』(ともに2019)など、話題の映画にも次々と出演している。

「作品として伝えたいメッセージを届けられるように、俳優として表現していきたいと思っています」。それぞれの作品に込められたメッセージを意識し、一つ一つの作品と向き合っている志尊だが、昨年出演した野田秀樹氏の作・演出による舞台『Q:A Night At The Kabuki』が大きな転機に。「野田さんは、“楽しい”の延長線上に創作があるような方。その姿を見て、楽しんで仕事ができるのは素敵だなと刺激を受け、僕も楽しんで仕事がしたいと思うようになりました」と、仕事において「楽しむ」ことを意識するようになった。

「楽しい」を大切にする思いは、コロナ禍においてさらに増したという。「こういった状況になって一日一日を大切にしたいとより感じるようになり、自分は何を選択していくか考えたときに、楽しいほうがいいなと。また、感じたものを感じるままに表現したいし、行動したいとすごく思うようになりました」