ディスプレイは今回、iPhone 12もPixel 5もフルHD+の有機ELディスプレイを搭載しています。

従来、iPhoneのスタンダードモデルでは液晶ディスプレイが採用されていましたが、iPhone 12シリーズでは4モデルとも有機EL搭載となっています。有機ELディスプレイの性能を生かせるのがHDR再生で、明るい空と暗い影、ハリウッド映画のダークなシーンなど、陰影表現が重要な場面で表現力を発揮します。iPhone 12では、HDR 10とDolby Visionという2つのHDR規格をサポートしています。

  • 上がPixel 5、下がiPhone 12。どちらもHDR再生をサポートしています

Pixel 5もHDR 10規格をサポートしています。ディスプレイではPixel 4シリーズから引き続き、フレームレート90Hzの高速駆動機能も備えています。高速駆動を有効にすると1秒間の画面の表示書き換え回数を増し、画面のスクロールなどを滑らかな見た目になります。たとえばこの記事やTwitter、Instagramのような縦長のアプリのスクロールでは、目への負担感を減らして快適に使えます。

ディスプレイ(画素数)
iPhone 12 Pixel 5
6.1インチ有機EL(2,532×1,170ドット) 6.0インチ有機EL(2,340×1,080ドット)

性能:トップ性能のiPhone 12、バランス重視のPixel 5

iPhone 12シリーズは4モデルのラインナップがありますが、そのどれもが最新のアップル製チップセット「A14 Bionic」を搭載し、ほぼ横並びのハイスペック構成になっています。

これは、アップルが自社でカスタムチップセットを設定できる能力を持ち、一部のモデルは数年後まで売り続けるというアップルの戦略があってこそできる芸当でしょう(11月11日には、自社製SoC「M1」を搭載したMacBookシリーズ、Mac miniも発表されました)。

一方、Pixel 5はクアルコム製の中上位ラインのチップセット「Snapdragon 765G」を搭載しています。従来のPixelシリーズのフラッグシップモデルが最上位のCPUを搭載していたのに対して、あえて一段下のチップセットを採用した格好です。

5G対応の最上位ラインSnapdragon 865シリーズは高性能ですが多くの用途ではオーバースペックになりがちで、バッテリー負荷や価格の高さもデメリットとなり得ます。こうした理由もあってPixel 5では765Gの採用に落ち着いたのでしょう。3Dグラフィックスを多用するようなゲームを動作させるには不利ですが、それ以外の用途では必要十分な性能を備えています。

プロセッサ
iPhone 12 Pixel 5
A14 Bionic Snapdragon 765G