ゲームは想定していないが、ハイエンドスマホに匹敵
ASUS Chromebook Flip C436FAのパフォーマンスをベンチマークで見ていこう。ここで利用したのはPrimate Labsの「Geekbench 5」と、ULの「PCMark for Android Benchmark」と同「3DMark」。
Geekbench 5のスコアではSingle-Coreが1076、Multi-Coreが3177だった。このスコアはSnapdragon 865 Plusよりもやや高い水準だ。
続いてPCMark for Android Benchmark。Work 2.0 performanceは12402、Computer Visionは8356、Storage 1.0は30668、Work performance 1.0は18862だった。ここもおおむねAndroidスマホのハイエンドに近い数値と言えるのではないだろうか。
3DMarkはSling Shotが4593、Sling Shot Extremeが4457。一部のAPIには非対応で実行できないものがあった。ここはC436FAがCore i7の内蔵GPU機能を利用している影響もある。3Dゲーム目的であればハイエンドスマホのほうが適している。
テストではChromebook用のベンチマークソフトを用いたが、同スペックのWindows 10搭載ノートPCと変わらない性能なのだと思われる。OSが異なることで操作のレスポンスは違うものの、ハードウェアは同じだ。ゲーム用途には向かないが、モバイルノートパソコンの代替という視点では十分にハイスペック、高性能であることは間違いない。
G Suiteを使って仕事をする程度だとここまでのスペックは使い切れないかもしれない。ラグを感じさせないほどの操作レスポンスはもちろんビジネスをもっとスマートにしてくれる可能性があるとして、ASUS Chromebook Flip C436FAに似合うのはもっとパフォーマンスを必要とする用途ではないだろうか。
たとえば写真編集、映像編集といったクリエイティブ用途だ。残念ながらAndroid用映像編集アプリのAdobe Premiere Rushは非対応だったが、同じカテゴリーではCyberlink Power Directorなどがある。またはChrome OS上でLinuxを運用することができるので、Linuxアプリを活用することもできるだろう。そうした意味では、C436FAをどう使いこなすかはアイディア次第、これからと言ったところだろう。
最後にPCMark 10でのバッテリ駆動時間テストでは10時間23分という結果だった。ワークロードが重いPCMark 10でこれだけの結果が出ていれば、実際の使用でもこれと同じかさらに長時間の運用が可能だろう。
新領域を切り開く!? プレミアムな高性能なChromebook
ASUS Chromebook Flip C436FAはラグジュアリーなChromebookだ。MacBook、あるいは最近ではSurfaceのようなデバイスでモバイルワークをするのがステータスとなっているようだが、ChromebookではASUS Chromebook Flip C436FAの様な製品がそのポジションをになうかもしれない。そのくらいデザインと性能に関してはプレミアムを感じさせてくれる。
あくまでChromebookとして見れば価格は高く、安価なパソコン代替品を望むニーズからすれば用途は思い浮かばないかもしれない。パフォーマンスはChromebookにとっては過剰と思えるほどに高い。これは、これまでのChromebookではできないと思われていた用途を切り開いてくれる製品なのだろう。