モデル業に励みつつ、「父がドラマなどを観るのが大好きで、『いつか女優さんになってほしい』と言っていて。私もお芝居がしたいなと思うようになりました」と女優業への意欲が湧いたのも、父を喜ばせたかったからだという。

女優デビューは、2012年放送の『世にも奇妙な物語 '12春の特別編』。それから作品を重ねるごとに、「お芝居には、正解がない。『この役はこういうことをしてもいいのかもしれない』と考えることもできるし、チャレンジがたくさんあってワクワクします。また、作品は残るものなので『子どもの頃に、あの作品を観ていました』と声をかけていただくこともあって。誰かに楽しんでもらえていると思うと、すごくうれしいです」とやはり、“誰かのため”という思いが彼女を支えている。

15歳で出演した『獣電戦隊キョウリュウジャー』では、弥生ウルシェード/2代目キョウリュウバイオレットを演じて話題に。同作で特に磨いたと感じているのが、「声のお芝居。アフレコができるようになった」ことだそう。「『そのご縁、お届けします』はモノローグが多いのですが、監督からモノローグを褒められました!」とうれしそうに微笑み、「『劇場版シティーハンター〈新宿プライベート・アイズ〉』や『名探偵ピカチュウ』など声のお仕事をやらせていただくこともあったのですが、戦隊での経験がものすごく活きたと思っています」と感謝しきり。

また、「戦隊の現場では、思ったようにできなくてトイレで泣いてしまったこともあります。でも私、性格的に“体育会系”なところがあって。そういう時でも、踏ん張れる」と驚くほどの強さを秘めている。「以前、ある人から『熱いものも、冷たいものも入れることができる水筒みたいだね』と言われたことがあって! 『落としても割れない、頑丈さがあるよね』って。体力はある方だと思います」と清々しく笑う姿も、なんとも魅力的。

コロナ禍において「できなくなったことも増えたかもしれませんが、そこからできることを見つけるのも、とても豊かなことに感じています」としみじみと語り、「『そのご縁、お届けします』では、『一人じゃないんだ』と身近にいる人のありがたみを感じてもらえたら、すごくうれしいです」と心を込めていた。

『そのご縁、お届けしますーメルカリであったほんとの話―』はMBS/TBSドラマイズム枠にて11月3日深夜スタート(MBS 毎週火曜24:59~、TBS 毎週火曜25:28~)。

■飯豊まりえ
1998年1月5日生まれ、千葉県出身。2008年、「avex kids×ニコ☆プチ公開モデルオーディション」でグランプリを受賞。雑誌『ニコ☆プチ』でモデルデビュー。その後、『ニコラ』『Seventeen』『Oggi』の専属モデル、『MORE』のレギュラーモデルを務める。2012年女優デビュー。主な出演作は、ドラマ『花のち晴れ~花男Next Season~』(18/TBS)、『家政夫のミタゾノ』(20/テレビ朝日)、映画『暗黒女子』(17)、『いなくなれ、群青』(19)、『惡の華』(19)など。

スタイリスト:徳永貴士・伊藤文香 メイク:AYA 衣装協力ブランド:アカネ ウツノミヤ