――柴咲さんは4話で制服を着て、実際の中学生とお芝居をなさいましたが、裏話があれば教えてください。
柴咲:みんな真面目。私のほうが不真面目だなと思った。
坂口:あはははは。
柴咲:礼儀正しいし。私があの時代のときは、あんなにしっかりできなかったな(笑)
坂口:へー!
柴咲:みんないい子で、お芝居も全部完璧に覚えてて。当たり前だけど(笑)。ただ、制服に関しては遊川さんを一生恨もうかなと。望美としてすごく必要なくだりなので、もちろんね、納得してやっていますけど(笑)。
――望美が成長していく過程を演じるうえで柴咲さんが気をつけていることはどのようなことですか。
柴咲:ちょっとずつちょっとずつの積み重ねで成長を見せていくところもあって、特にそれが3話だったと思うんですね。細かいセリフ回しやちょっとしたニュアンスで変わってしまうような。4話になると、また特徴が強く出てきて、母親や結人くんに対する態度なんかも、ある意味わかりやすくなって来るかなと。
坂口:確かに3話が一番微妙なところでしたね。
柴咲:だから実は望美は“小学校3~4年生”じゃなくて、“5~6年生”くらいになってたかな、くらいの変化。でもまだ混在してるわけですよ、その辺の幼さっていうのも。甘えたいなって気持ちと、ちょっと成長したいなって気持ちが拮抗してるというか。そこが難しかったかな。
坂口:でも4話になった望美によって、もちろん精神的には結人よりも下なんですけど、結人の何かが芽生えてきたり、結人の心の氷が溶けてきたりというシーンもあり、もし望美が25年ぶりに目を覚ましてなかったら、結人はどうなってたんだろうって思うんですね。自分の過去をもう一度顧みたり考えることもなかっただろうし、もしかしたらもっともっと嫌なほうに行ってただろうなって。4話の後半にはそれが望美によってすごく救われて、彼女と出会えたからこそ、結人が過去をポツポツ話始めたりするので、彼女が成長するのを助けてるつもりで自分が助けられてるんだなって思ったりしますね。
――撮影から2か月が経ちましたが、母親・多恵役の鈴木保奈美さんの印象は?
柴咲:別の作品でちょうどバリキャリなカッコイイ女性を演じられていたのですが、今回はグレーヘアで、疲れたお母さんという感じで登場されたときは、私もビックリしました。撮影では、保奈美さんはお子さんがいらっしゃって、実生活でもお母さんをされてる方なので、望美への感情移入の仕方がすごいんです。「あ、望美が中学生になってる」とか、成長をほんとに喜んでくれたり、ある意味悲しんでくれたり。お芝居を超えたそういった部分を垣間見ることができるとうれしくなります。
坂口:鈴木保奈美さん演じる多恵さんは、結人にとってある種の障壁というか、望美と結人の間に必ずいる存在で、25年前の回想に出て来る多恵さんと今の多恵さんにもすごくギャップがあるんですけど、25年間の計り知れない悲しさや辛さを考えると、そこまでしなくてもっていう過保護な行動も、多恵さんが望美に対して持っている“本当の愛”なのかなって、その姿に泣けてきちゃいます。
柴咲:そう、不器用なだけなんですよね、みんなそれぞれに。ただ思いは一途だし、深いなと思います。
――第4話を楽しみにしている視聴者の方にメッセージをお願いします。
坂口:やっぱり僕としては、さっきの話と重なっちゃいますけど、実は結人が救われていたというところをぜひ見ていただきたいですね。
柴咲: 序盤は押せ押せで“成長するぞーっ”ていう望美が描かれているんですが、その分、摩擦や衝突も増えてくるので、そこも見どころです。そして、家族や結人くんとの関係も、今までの小学生らしい“好き”“素敵”だけではない、もう一歩成長した、ちょっとだけ大人になってくる姿が垣間見れるかなという回になっています。