しがらみの多い世界で、正論や本音を言い続けることに不安はないのか尋ねると、「仕事が減るという恐怖はありますよね(笑)」と本音も。「僕の場合は吉本に所属させてもらってますから、大阪の番組や舞台があるけれど、東京の地上波はやいのやいの言われるの嫌なんでしょう。戦後のマスコミにいろいろな人が入っていることも関係しとるんでしょう。仕事がなくなるから、食べていかなという思いもあるけど、どうせ地上波離れるなら、とことんやってやろうかと思います(笑)」と腹をくくる。

とはいえ、「しんどい時もありますよ(笑)」とまたしても本音を吐露。「なんでうまいこといかへんねん、みんな仲ようやれやって(笑)」と打ち明け、「誰かにSNSで叩かれるとしんどいって感じますし、自身が見なければわからないことも、一個見てしまったらみんなが言うてると勘違いもする。それで亡くなられる方もいるので、本当にかわいそう。そこは、うまいことSNSと付き合わなあかんなと思います」と語る。

また、「とことんやってやろう」と腹をくくりつつも、そもそも前提として、声高に政治的発言ばかりしているつもりはないと本人は言う。「僕の中では仕事の一環。お笑いの仕事と何ら変わらないんです。やっていたら面白かった。そういう発言をすると、賛同を得ることが多々あったんです。代弁というか、自分がほんまに気づいている『おかしいやないかお前ら!』という疑問をぶち上げているだけなんです」

コロナ禍のお笑いについても持論を展開。「エンタメは保障なんか求めるなと。申し訳ないけど、好きで選んだ道じゃないですか。売れてなんぼ、売れなくてなんぼ、そのまま終わる世界。だってわたしはものひとつ作れませんよ。人を笑かすことしかできひん。それでお金をもろうてるだけじゃないですか」と厳しい意見を持ち、「ただ、わしらに関わった舞台裏の人たちは助けてほしい。わたしらは、まあいいわ。売れてない奴がかわいそう? 入った時は同じなんで、リスクは一緒じゃと。かわいそうと思う人が面倒みたら? と。僕はそういう気概でやってますんで」と続ける。

その一方、「たぶんこのまま終わってしまうとは思っていない」とも。「コロナについては、だいぶわかってきたじゃないですか。どういう状況で感染するのかとか。高齢者と基礎疾患がある人に気をつけて、経済を回していったらええですよ。人はコロナウイルスでも死ぬけれど、経済が立ち直らないと大変なことになるぞ。そういう線引きを政治がちゃんとやってほしい」と訴える。

冒頭で、仕事は待っているタイプと言っていたほんこん。今何でもやっていいと言われたら、「人情喜劇。舞台が一番したい」そうで、「自分で舞台に立って、1カ月公演とかやりたい。じいちゃん、ばあちゃん、同年代、ちょっと下の世代に日本のええとこ、情けとか教えたい。僕ら教えてもらったでしょう?人様に迷惑をかけるなと。それがまさに菅総理の言う自助じゃないですか!」と熱く語る。

そして、「吉本興業さんに頼んでいるんですけど、『舞台はお金がかかりますので』とか言われて!」と、実は会社に提案していたことを告白。「あ、それは頼んでるんです。待ってなかったですね(笑)」と自分の発言にツッコミを入れつつ、「めっちゃやりたいんですよ。テレビもあるけれど、舞台は面白い。幕が開く緊張感ね。全国でキャラバンですよ。地方再生もできる。これに国の予算つけてくれへんかな。『お前は国の犬や!』言われていたので、だったら予算つけてくれ(笑) 笑いは免疫もつくので!」と舞台と笑いの重要性を強くアピールした。

■ほんこん
1963年6月16日生まれ、大阪府大阪市東淀川区出身。吉本興業所属。NSC4期生。板尾創路との漫才コンビ130Rおよびピン芸人として、バラエティ番組や吉本新喜劇などで幅広く活躍中。近年は『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』(朝日放送)など情報番組のパネリストとしても注目を集め、最近ではYouTubeチャンネル「ほんこんのちょっと待て」での独自の視点と発言も話題を呼んでいる。