俳優の妻夫木聡が主演、女優の吉高由里子がヒロインを務めるTBS系日曜劇場『危険なビーナス』(毎週日曜21:00~)が11日にスタート。世帯平均視聴率14.1%と好発進を切った(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。このたび、妻夫木と吉高にインタビューし、役作りや撮影裏話、初共演の感想などを聞いた。

  • 『危険なビーナス』で初共演を果たした妻夫木聡(左)と吉高由里子 撮影:蔦野裕

東野圭吾氏の同名小説を原作とするこのドラマは、正義感が強く真面目な独身獣医の主人公・手島伯朗(妻夫木)が、突然現れた「弟の妻」と名乗る謎の美女・矢神楓(吉高)と共に失踪した異父弟・明人の行方を追ううちに、矢神一族の遺産争いに巻き込まれていくというラブサスペンス。第1話放送後には、SNS上で早くも黒幕を考察する人が続出した。

――まず、役作りとして意識していることを教えてください。

吉高:楓は得体の知れない人物。何をやっているかわからないし、どこから来たのかもわからないし、本当に弟の嫁なのかもわからない。すごく明るくて人懐っこい性格ですが、「何なんだろうこの人?」という空気感も持っていないといけないなと意識しています。

妻夫木:基本的に僕は翻弄される役ですが、コミカルなシーンも多々あるので、お芝居が翻弄されることに寄りすぎないように、面白いお芝居になりすぎないように気をつけています。ミステリーというのが本筋なので、ドキドキさせるようなミステリーを視聴者の方々にしっかりと見せられるように、シリアスさは保つように意識しています。

――東野圭吾さんの小説が原作ですが、映像化する上で意識していることを教えてください。

吉高:毎回思うのですが、原作がある物語は怖いなと。原作ファンの方もいて、小説を読みながら人物像をイメージしているだろうし、顔とかも含め、その出来上がったイメージの中に自分が馴染めるのかなという不安はあります。

妻夫木:原作に引っ張られすぎないように、ドラマの中で『危険なビーナス』というものを新しく作り出そうという意識を持っています。原作があるので、どういう展開になるか皆さんも想像されると思いますが、答え合わせにならないように自分自身疑いながらやることが大切なのかなと。いい意味で視聴者をミスリードさせることも必要だと思いますし、ドラマならではのミステリーを見せられるように頑張っていきたいです。

――東野さんが「ドラマの制作陣、役者さんたちには、思い切り好きなように遊んでもらいたい」とコメントされていましたが、どんな風に遊んでいきたいですか?

吉高:楽しめたらもうそれは遊び心なのかなと思うので、思い切り現場で一番楽しもうという気持ちで挑めたらと思います。

妻夫木:そうおっしゃっていたことを思い出して、ちょっとプレッシャーを感じています(笑)。『これで東野さん大丈夫かな?』と考えてしまうタイプなので、いい意味であまり気にせずにやれたら。でも、原作の方がそういう風におっしゃってくださるのはすごくありがたいです。僕らは僕らの中でドラマを作り上げていくという思いがあり、次が見たくなる面白いドラマを視聴者の方に届けるのが僕たちの使命なので、目の前にあるものに真摯に取り組みたいと思います。

――妻夫木さんと吉高さんは初共演ですが、撮影を経て印象が変化したり、新たな発見はありましたか?

吉高:失礼ですけど、イエーイ! みたいなモンチッチなイメージがあって、明るくて図太い人だと思っていたんです。でも、すごく考える人なんだなと。考えて考えて考えすぎちゃう人。すぐ引きずるし、反省するし、すごくナイーブな方なんだなと思いました。

妻夫木:か細いんです、僕は(笑)

吉高:繊細なんです(笑)

――妻夫木さんは吉高さんの印象の変化などありましたか?

妻夫木:クレバーな人だと思いました。勘が鋭く感性で動いていると思っていたところもありますが、そもそも本当に頭がいい人だと思います。感覚だけではない部分を意識させないようにしているのはすごいことだなと。本当に人に気を使わせず、自分が犠牲になっていろんなことをやろうとしている方で、そういう部分は会う前はあんまり汲み取れなかったので新たな発見でした。

――「明るいモンチッチ」と思われていたというのは、どう感じましたか?

妻夫木:暗い男よりはいいんじゃないかなと(笑)。基本的に普段はモンチッチみたいなタイプだと思います。