提供エリアが維持されるかどうかが最大のポイント?
最後になりましたが、Prime Nowの利用にあたって最大のネックとなるのは、提供エリアの問題です。現時点では、東京23区や大阪市内を中心とした一部エリアのみのサービス展開となっており、このエリア内に配達先がなければサービス自体を受けられません。今後、提携先の事業者が増えたとしても、その事業者が配達可能な地域に限られるため、全国津々浦々までサービス提供範囲が広がる可能性は低そうです。
また注意したいのは、Prime Nowのサービスインからこれまでに、サービス提供エリアの変更により、実際にサービスを利用できなくなった地域があることです。具体的には、当初は東京23区のほとんどで提供されていたのが、当時提携していたマツモトキヨシやココカラファインが取扱を終了したことで、2019年の時点でエリアを都内10区にまで縮小。神奈川や千葉、兵庫などの一部エリアも、提供を終了しています。
その後、23区のほとんどの地域が提供エリアに復帰し、近隣の一部エリアも新たに提供エリアに加わって現在に至っていますが、もともと対象エリア外だったのならまだしも、すでに使えていたのが途中で使えなくなるのは、日常的なインフラとして使うタイプのサービスとしては困りもので、利用にはやや慎重にならざるを得ません。
こうした提供エリアの変更は、事業者の参入・撤退に依存するため、Amazon側の意向とは無関係に、今後も変更になる可能性があります。こうした点を考えると、現状ではあくまでも“いざ”という時に利用するためのサービスで、最短2時間で届く点や、Amazonと同じ支払方法が使えるなどのメリットも考慮しつつ、ほかのネットスーパーとうまく使い分けるのが吉といえそうです。