今回のストーリーを見て一番感じたのは、「いろんな立場の人のいろんな決断を受け入れることの大事さ」だという。
「コロナでいっぱいいっぱいになってくると、どうしても視点が自分のことだけになってしまうじゃないですか。でも、『白い部屋』には、この状況でも前向きに捉える人がいたり、今まで信頼していた人の見方が変わる人がいたり、さらには新しい道へ行く人もいて、コロナという試練を与えられた中で、いろんな選択肢や考え方があるんですよね。だから、1人だけじゃなくて、いろんな人の側に立ってみることの大事さを、今回教わった感じがします」
■自分の神経を全て持っていかれるように
様々な番組でナレーションを担当する松本だが、今回初めて読んだ『ザ・ノンフィクション』は「昔からすごく憧れていてやりたかったので、幸せでした。知らない間に自分の神経を全て持っていかれるように、コンチママたちに心を動かされながら、引き込まれて読んでいったので、心地よくもあり、すごく集中できました」と充実の表情。
収録中は、納得のいかない部分を自ら志願して録り直す場面が何度もあったが、「流れがある中で、『この音じゃない』って思うことがあるんですよ。なんだか変に飛び出してるとか、軽くなってるとか、そこにそぐわない音が気になるんです。自分が心地よくその世界に入っていければ、きっと皆さんも同じように入っていけるんじゃないかと思って、『ここはもう1回お願いします』と言っていた気がします」とプロ意識をのぞかせた。
前・後編の収録は約4時間にもおよんだが、「ヘビーですけど、何より本物の人生の機微に触れられたということが、ものすごく刺激になりましたし、またやらせていただける機会があればうれしいです」と意欲。
次に読んでみたい題材を聞くと、「それは自分が想像できるものではない気がしています。やっぱり“出会う”ものだから、どんな方の人生でも知りたいし、読んでみたいですね」ということだ。
●松本まりか
1984年生まれ、東京都出身。00年に『六番目の小夜子』(NHK)で連続ドラマデビューし、18年の『ホリデイラブ』(テレビ朝日)での“あざとかわいい”役で注目を集めると、今年は『竜の道 二つの顔の復讐者』(カンテレ)、『妖怪シェアハウス』(テレ朝)と同クールのドラマに出演。女優業のほかに、声優や『中居大輔と本田翼と夜な夜なラブ子さん』(TBS)などナレーションでも活躍する。最近では、音楽特番『THE MUSIC DAY』(日本テレビ)でテレサ・テンの「愛人」をテレビ初生歌唱して話題を集めた。