使い込むごとに増えていった「理想とのズレ」
最高コマ速は4.5コマ/秒と、現代の感覚からすると少々おっとり系。動きモノを撮っているときには物足りなさを感じるスピードではあり、個人的には女性ポートレートを撮っているときにももう少し“速さ”が欲しくなると思う。でも、各種ブラケティング撮影には何とか許容範囲。スナップにもちょうどいいリズム感だ。
そして、ファインダーは、接眼保護窓以外はZ 6やZ 7と同一の構成。コスト低減最優先の中にあっても、ファインダー周りへの影響は最小限に抑えつつまとめ上げているところがジツにニコンらしい。実際、拡大表示やピーキングに頼らずマニュアルフォーカスでの正確なピント合わせができるEVFなので、その表示クオリティはベテラン陣にも十分な満足が得られるはず。開発者の矜持をビシバシ感じる部分だ。
総じて、目を三角にして被写体に迫ることなどないお散歩カメラとしては、ちょうどいいレスポンスとスピードが備わっていると思う。どんなときにもガガガガッって賑やかに10コマ/秒で撮れちゃうソニー「α7 III」より静粛に、そして平穏な気持ちのままゆったり写真が撮れるからね。で、ファインダーの“見え”はコチラの方が段違いに優秀。ふむふむ、Z 5、けっこうイイところを突いてきてるんじゃなーい?
と、最初は思ったのだけど、使い込むに従い「うん?」「あれ?」「おっと!」「ナニそれ??」ってなところも見え始めてきたりして……。Z 5は、100%手放しで誰にでもオススメできるかっていうと、どうもそういう感じのカメラじゃなかったんだよねぇ。
ってな感じの詳細は、レビュー後編にてっ!