シェンニャンもそうだが、強い女性役がぴったりハマる小池。自身も「面白い」とやりがいを感じているという。また、強い女性役から影響を受けるそうで、「意識改革になります。説得力を持たせるために自分自身が役に近づこうとしますし、かっこいい女性の役は好きなので日頃もそういう意識で動きたいと思っています」と明かす。

自分が演じた役以外から影響を受けることも。本作では演じたシェンニャンだけでなく、主人公のムーランに刺激され、「考えが老けた」と気づくことができたという。

「年齢とともに、諦めるもの、できないものの意識が増えてきて、苦手なものは避けて、できるものだけ選びがちになっていく。でも、ムーランの恐れを知らない年齢の子の強さ、目の前には可能性と希望が広がっているというキラキラした強さを見て、やはり今までと同じように険しい道を進んでいこうと、今回のお仕事で改めて感じました」と述べ、「もうすぐ40歳になりますが、39歳で気づけてよかった。その道に片足ツッコんだら抜けられないと思うので」と笑った。

女優としてさまざまな役に挑戦、バラエティ番組でも攻めのトークで盛り上げている姿が印象的な小池。キャリアを重ねても守りに入らず、40歳を目の前にした今、これからも険しい道を進んでいこうと決意を新たに。

「インタビューで話すときは自分の理想も加わっているから強気で話しますが、ちょっと時間が経つと、果たしてあのとき語ったことが私はできているかって。そういう意味でもインタビューも勉強になるんです。言ってしまった手前、やらなきゃって思うんです」。

インタビューも勉強に捉え、自分自身を高めていく。その謙虚さと向上心に小池の人間力を感じ、ドラマや映画、バラエティに引っ張りだこな理由もわかった気がした。

これからも挑戦を続けていくという小池だが、「自分のペースで進んでいきたい」という考えを持つ。「デビューしたときに、信頼していた先輩から『君は大きく飛躍するというより、コツコツ積み重ねてあるときパッと花を咲かせるタイプだと思う』と言われ、コツコツ型というのは今も変わってないと感じているので、これからも変わらずコツコツやっていきたいと思います」と語った。

そして、「目標はいつも考えていない。流れに身を任せてやっていくというのが目標で、これからも決めずにやっていきたい」と話し、「ただ、最近、犬のしつけができなくて困っています。仕事では華やかな場所でいろいろ発言させてもらっていますが、日常のそういうところで悩むわけです。なので、身近なところをちゃんとやっていくというのが今の私の目標です」と、目の前の目標を明かしてくれた。

最後に、自身の生き方にも影響を与えた『ムーラン』について、「スカッとすると思います。可愛さ、たくましさ、家族との関係、仲間との関係……全部が含まれている。そして、本来の自分に自信を持って、誇りを持って、プライドを持って生きていくという、大事なものをシンプルに伝えていて、自分を見つめ直すいいきっかけになる映画だと思います」と魅力を伝えた。

『ムーラン』ディズニープラス 会員、プレミアアクセスで公開中(追加支払いが必要)。

■小池栄子
1980年11月20日生まれ、東京都出身。1998年にドラマデビュー。2008年には主演映画『接吻』で毎日映画コンクール女優主演賞等、2011年『八日目の蝉』でキネマ旬報ベスト・テン助演女優賞等数多くの賞を受賞、2016年には舞台『グッドバイ』で読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞した。女優として数多くのドラマ、映画、舞台に出演している。