お笑いコンビ・オードリーの若林正恭の著書『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』(2017年発売)。このたび文庫化され、10月7日に文春文庫で発売される。
解説文を担当したCreepy NutsのDJ松永についてや、自身の結婚後の変化、さらにはコンビとしての仕事面での変化についても語った――。
■山里亮太に解説を依頼しなかった理由
――文庫化にあたって、解説文をCreepy NutsのDJ松永さんが担当しています。松永さんにオファーした理由をお聞かせください。
書き下ろした「コロナ後の東京」で「血の通った関係」って偉そうに書いちゃったから。本当に「血の通った関係って若林にあるのかよ?」って言われたときに、「いやあるんですよ」って言いたいがために、松永君にお願いしました(笑)。
――松永さんとはどのように血の通った関係になっていったのですか。
山里(亮太)さんと「たりないふたり」をやらせてもらっていて、Creepy Nutsが「たりないふたり」っていう曲を出したという話を聞いて、一緒にご飯食べに行きました、そこからの仲です。ラジオも聴いてくれてて、僕も日本語ラップがすごい好きなので、すごいうれしくて。松永くんはどう思っているかわからないけど、僕はそういう感じですね。
――山里さんがラジオでも言及していましたが、山里さんに今回の解説をオファーしなかったのには、どのような理由があるんでしょうか。
山ちゃんは、こうやって言うとまた怒るかもしれないですけど、さほど俺に興味ないと思うんですよね(笑)。長い付き合いなのでなんとなくわかるというか。彼は本当に実力者だし、ものすごい才能だと思ってるので、「ライバル」だと言ってもらえるのはめっちゃうれしいですけど、僕はあんまそういうふうに見てないので(笑)。若林という人間に対して、書いても3ページぐらいで終わっちゃうんじゃないかなって思って、頼まなかったのかな(笑)。松ちゃんだったら、結構書いてくれるかなと思って(笑)。
――松永さんの解説文を読んでみていかがでしたか。
すごくうれしかったのは、僕がキューバ、モンゴル、アイスランドのことについて書かせてもらってるので、文庫本の解説も当然そっちに寄せて書くものじゃないですか。でも全然そうじゃなくて、個人的な手紙だと振り切ってくれたことがすごくうれしかったですね。
■思い出深いエピソード「奥さんが耳元で…」
――モンゴルの章では、「夫婦」についても書かれていました。モンゴル旅の後、昨年にはご結婚もされましたね。
自意識過剰でナルシストな部分も抱えているので、奥さんと一緒に生活するようになってから、ほんっとに自分のことしか考えて生きてこなかったんだなって思いますね。テレビを見るにしても、1人だと自分が見ようと思った番組しか見ていなかったので。外からの刺激として、自分の感覚では普段見ない番組が入ってきてます。「こういう人たちいるんだ」とか、ドラマを1クール全部見たのも20何年ぶりぐらいだったし。
――奥様とこれまで行かれた場所で、思い出深いところはありますか。
沖縄に行ったときに、海でバナナボートに乗って、ジェットスキーで引っ張られるっていうのを2人でやったんですよ。僕、バラエティで何度もやったことあって、そう簡単に落ちないの知ってるから、乗る前に運転手さんに「激し目にお願いします」「最大限にやってください」って言ったんですよ。でも乗ったら、全然たいしたことなくて。落ちれなかったら、奥さんが耳元で「若林さん、落ちてあげて」って言って(笑)。それが1番印象に残ってますよね(笑)。あれはなんだったんだろうなってたまに思い浮かびます。
――奥様とは笑いの感覚も近いんですかね。
そうですね、もしかしたら近いのかなと思います。この間、『しくじり先生』でザコシショウと漫才やったんですけど、それを笑ってくれてたのは助かったなという気持ちはありましたね。