『妄想スイッチ』では、妄想癖のある婚活中のOL・空見トモを演じ、相手役の柿澤勇人とさまざまな恋愛シチュエーションに挑戦。「妄想を現実にすると大変なんだなと思いました。壁ドンも、現実でやろうとするとタイミングが難しかったり、受け手も距離を意識しないといけなかったり。柿澤さん演じる二階堂さんと妄想の中でダンスを踊って、最後に社交ダンスのようなポーズをするシーンもあり、私はやったことがないのでプルプルしながら柿澤さんに身を任せていました。そういうのも大変でしたが、楽しく演じさせていただきました」と振り返った。
“お姫様抱っこ”や“壁ドン”など数々のシチュエーションを体験する中で、現実世界で体験できたらいいなと思ったのは「バックハグ」とのこと。「キュンとしました(笑)。壁ドンは現実世界ではなかなかないと思いますが、バックハグは一番リアルですし、安心できるんだろうなと感じていいなと思いました」と話した。
舞台『スマートモテリーマン講座』をきっかけに振り切って演じられるようになったという若月だが、まさに『妄想スイッチ』こそ振り切った演技が求められる作品。当時の経験が「めちゃめちゃ生きてます」と言い、「『自分がどう見えるか』より『この作品がどうなるか』を考えるようになり、『妄想スイッチ』でも、ショックだったらすごいガーンという顔をしたり、とてもオーバーに演じています。そうしないと作品として面白くならないなと思ったので、絶対普段やらないだろうっていうくらいの顔芸をしています」と笑った。
主人公・トモは婚活に奮闘しているが、若月自身が1人の女性として思い描いている将来像を尋ねると、「男性と女性の中間の考えを持てる人間になりたい」と回答。「男性に守られて当然という考え方は違うなと思っていますし、だからといって、男性を上回るたくましさがほしいというわけではなくて。トモちゃんは守られたいしキュンとさせてもらいたいという感じですが、私は守りたいという思いもあるんです。なので、将来的には、いい意味で男前なかっこいい女性になりたいと思っています」と説明した。
仕事に関しては、「人のために生きたい」というのが将来的な目標とのこと。「人の悩みに答えたり、相談にのったりするのも好きで、お芝居の世界でも、自分が表に立つだけではなく、演者さんの支えになりたいという思いがあります。プロのスタッフさんを目の前で見ていてかっこいいなと思いますし、そのサポートがあったら演者さんは楽だろなと考えたりするので、将来的には自分が表に立った経験を生かし、裏方としても誰かの力になれたら。もちろん、表に立つことも誰かの力になれる限りやりたいですが、縁の下の力持ちとして生きることも一つの素敵な方法だなと思います」と語った。
自分の笑顔や自分自身のことが好きではないという苦手意識とは、どのように向き合っていくのか。若月は「克服しようとは思わない」と言い、「ファンの方からも『自分のことを好きになれない』とか『自分がやったことで失敗したら自己嫌悪に陥ります』という悩みをオンラインサロンに寄せられることがあるのですが、無理やり自分のことを好きになろうとしなくても、認めてくれる人は絶対いるし、その人の言葉を信じる自分がいてもいい。苦手を無理に克服するより、得意を伸ばしたほうがいいと思っています。苦手なものに立ち向かって心が折れてしまうのなら、好きなものや、やりたいことに目を向けて生きていくという選択肢もありかなと思うので」と自身の考えを述べた。
「私は自分のことを好きにはなれないけど、自分のことを好きになってくれる人のことを好きになれる。誰かの役に立てていると思うと自分をちょっと認められるので、そうやって生きていこうと思います!」。“与えられる人”が若月の目標であり、生きる原動力になっている。