娘・一果役を演じたのは、オーディションで独特な存在感とバレエの才能を見いだされ、本作で芝居に初挑戦した服部樹咲。水川は「彼女は現場で毎日緊張していて、『お芝居をやりたいけどお芝居の正解がわからない』と言っていましたが、彼女はそこにいるだけで一果になれるという存在。彼女自身が一果という感じでした」と語った。

そして、「テクニックとかではなく、純粋な彼女のまんまが一果だから、私たちは敵わない。すごいなと思いました」と続け、「そばで見ていても素敵だなと思いましたが、出来上がった作品を観たほうが素敵でした。大きく表情が変わらなくても思いが伝わる演技で、切なかったです」と称賛した。

また、「彼女は『映画でお芝居がしたい』と言っていました。バレエもかなりのテクニックがあって上手なのに、バレエではなくお芝居の魅力を感じたというのが面白いなと思いましたし、うれしいなと。才能のある人たちが集まる場所っていいなと思います」とにっこり。「次に出演する作品も観てみたい。どういう風になるのか楽しみですし、はっきりと映画の世界でお芝居していきたいという夢を持っていたので、そこに向かって突き進んでほしいです」と今後の活躍に期待した。

水川が目指す女優像を尋ねると、「演じたことがない役にチャレンジしていきたいと思っていますが、最終的に目指すは一果のようなところだと感じました」と答え、「存在するだけで成立するというのは、何も知らないからこそできること。私たちはどういう風に見せないといけないかわかって芝居をしていますが、それがない中で、そこにいるだけで存在する役を演じられる強さはうらやましいと思いました」と説明。「役者として目指す理想形はそこなのかなと。もう絶対にできないからこそ憧れます」と、新人女優との共演によって目指すべき理想が見えたようだ。

■水川あさみ
1983年7月24日生まれ、大阪府出身。主な出演作は、映画『今度は愛妻家』(10)、『大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇』(11)、『バイロケーション』(14)、『太陽の坐る場所』(14)、『福福荘の福ちゃん』(14)、『後妻業の女』(16)、『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』(20)、『喜劇 愛妻物語』(20)、ドラマ『東京女子図鑑』(18/Amazonプライム)、『ダブル・ファンタジー』(18/WOWOW)、『スキャンダル専門弁護士QUEEN』(19/フジテレビ)など。公開待機作に、『滑走路』(11月20日公開)がある。

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