作り込まれたゲーム管理アプリがポイント
ゲーミングスマートフォンでは、各社とも独自の管理アプリを導入している例が多いのですが、ROG Phone 3でも「Armoury Crate」を搭載。144Hzに対応したゲームのリストやインストールしたゲームの表示、起動に加えて、各ゲームごとの本体の設定を変更できます。
本体の設定もカスタマイズでき、パフォーマンスモードとして「ゲームチューニング」や「ハードチューニング」が選べるほか、ハードチューニングではCPUやGPU、温度制御といった項目をカスタマイズできます。ディスプレイのリフレッシュレートやタッチ速度、スライド感度といった変更も可能で、ゲームごとに最適な設定を探しておけば、いざという時の細かい使い勝手が勝敗を左右するかもしれません。
パフォーマンスに関しては、「Xモード」によって簡単に設定変更できます。アプリごとにカスタマイズしなくても、Xモードをオンすればその時に最適なゲーム設定に変更されます。Xモードはクイック設定から一発でオンオフできますが、本体下部を手に持った状態でぎゅっと握るだけでも変更可能です。
Xモードがオンになると、UIカラーが赤と黒を基調としたものに変更され、わかりやすく“ゲーミングスマートフォン感”が出ます。Xモードは3段階で変更できますが、「CPU/GPUを全開にする」というレベル3は前述の付属クーラーAeroActive Cooler 3を装着した場合にのみ選択できます。フルパワーでゲームを楽しみたい場合はクーラーの装着が必要というわけです。
もちろん、その分電力消費が増えるのでバッテリーの持ちは悪くなります。その辺りのバランスを考えながらXモードの設定を変更するといいでしょう。
3DMarkとGeekBenchのスコアをチェック
さて、では実際「Xモード」でどの程度パフォーマンスが向上するのでしょうか。公式発表では、ベンチマークアプリAntutuで657,870というハイエンドらしい結果が紹介されていましたが、今回は手元の実機で3DMarkを実行してみました。
実行したのは3DMarkのSling Shot Extremeで、通常時ではOpenGLが7809、Vulkanが6519だったのが、Xモード(レベル3)では7944と7116に向上。特にVulkanでの上昇率が高くなりました。
続いてGeekBenchでは、通常時のシングルコアスコアが972、マルチコアスコアが3347。Xモード(レベル3)では997、3374と微増。OpenCLはそれぞれ3530と3650、Vulkanが3785と3949だったため、GPUの方が上昇率は良いようです。GFX Benchだと特に高レベルテストが顕著で、例えば「マンハッタン3.1」テストは通常が3978フレーム(64fps)だったのが5003フレーム(81fps)に上昇。全体として、「Xモード」のほうが数字が向上していました。
実際のゲームプレイ時の影響は未知数ですが、少しでもパフォーマンスが上げたい場合はオンにしておくと良さそうです。
進化したタッチ機能「AirTrigger 3」
ゲーム機能としてさらに重要なのが「AirTrigger 3」です。AirTrigger 3は、横持ちにした時に上部の側面2個所が静電式のタッチボタンとなり、ゲームコントローラーのように操作することができる機能です。
AirTrigger 3向けに用意されたコマンドはタップ、スライド、フィンガーレスト、スワイプ、デュアルパーティション、連続タップで、従来より操作の幅が広がりました。タップでは、画面上のボタンに割り当てられるので、画面に触れずにゲームができます。PUBG Mobileのように2カ所に攻撃ボタンがある場合に便利です。
スライドは、左右または上下のスワイプをエミュレート。十字方向に画面スワイプで移動するゲームで便利でしょう。デュアルパーティションは、AirTrigger 3のタッチエリアを2分割して、押す場所にそれぞれ画面タップを割り当てる機能。ちょっと操作は難しくなりますが、4カ所の画面タップをエミュレートできます。さらに、本体を振ることで指定位置のタッチをエミュレートする機能も搭載しています。
このほか、マクロ機能も搭載。画面を操作した順番を記録して再生してくれるので、決まった手順が必要な場合に活用するといいでしょう。最初に設定する手間はありますが、一度設定しておけば役立つ機能です。
ゲーム中は、横持ちして画面左端からスワイプで「GAME GENIE」が現れます。そこで着信などの通知をブロックしたり、リフレッシュレートを切り替えたり、AirTrigger 3の設定を変更したりする機能に素早くアクセスできます。
また、ゲームプレイ中の録画、実況といった機能もあり、ゲーミングスマートフォンに必要な機能は網羅されているといえるでしょう。2画面で使えるTwinView Dock II/3、専用コントローラKunai 3 Gamepadといった、ゲームを快適にプレイできる専用アクセサリ製品にも対応しています。
ハード、ソフト両面でのゲームプレイを強化した機能で、ゲームプレイのためのスマートフォンとして高いレベルを実現しています。