堺らそうそうたる俳優陣との共演について尋ねると、「バケもんですよ。とんでもない人とお芝居しているんだなって。僕は演技のことはわからないけど、わからない僕でもすごいと感じるから、とんでもないメンバーなんでしょう。堺さんも香川(照之)さんもそうだし。白井さん(江口のりこ)も。とんでもないです」と圧倒されている様子。

俳優として数々のドラマや映画に出演し、NHKの大河ドラマも経験している児嶋だが、それでも『半沢直樹』は“とんでもない”ようで、「不思議な感覚があって、現場で『半沢直樹』のドラマを見ている感覚にもなる。そこに自分がいるんだなって。変な感覚に陥るんですよね。お芝居しているけど、惹きこまれてそこの世界に入れられている感覚というか。あんまり感じたことない感覚です」と明かした。

堺のNGの少なさにも驚いているという。「こんなにNG出さない人間がいるのかと。あなたがもっと出してくれたら、こっちはもっと楽になるのにって、本当に思う(笑)」と冗談交じりに話し、「あのセリフ量でこんなに出さない人を見たことないです。とんでもない人ですね」と感嘆した。

また、「堺さんと香川さんと柄本(明)さんと段田(安則)さんで演技の話をされていましたが、俺には次元がすごすぎた。『自然に演技しろっていうけど、自然な演技なんて無理だよ。そんな無理なお願いされてんだよ、この仕事は』みたいな。あのレベルの人がそれを言うから深いなと思って。なんとなく聞きながら、理解したようなしてないような自分がいました」と語った。

■俳優経験を芸人としてのトークに「それが一番の財産」

俳優としても高く評価されている児嶋だが、「『芸人さんうまい』と言う人が多いですけど、芸人さんってまずハードルが1個下がっている。俳優さんはうまいのが当たり前。芸人はコントとかやるけど演技は本職じゃないから、まずハードルが下がってる。その低いハードルをちょっと越えただけで『うまいね』って仕組みだと僕は思います」と、“俳優芸人”への評価について持論を展開。「現場で本物を見ていますけど、特にこの現場で。モノが違いますもん。こんなに演技がうまい芸人いないですよ」と、本職が俳優の人には敵わないという。

逆に、俳優がバラエティに出演して「面白い」と言われるのも同じ仕組みだと言い、「役者さんにしてはちょっと面白いこと言うね、ってことだと思います」と説明。「今、芸能界はあまりジャンルの垣根がないけど、でも本職はどうかと言われたら違うし、やっぱ熱量や本気度も違うと思う」と述べた。

本職はあくまで芸人だという児嶋だが、役者としての経験を芸人のフィールドに持って帰れるのは大きいようで、「何だったらそれが一番だと思いますね。芸人がドラマに出て、『こんな現場見てきたよ、こういう人いたよ』とか。最近だったらそれこそYouTubeで話したり。僕らがやっている番組で『このあいだ半沢出て、すごかったよ』って話ができることが一番の財産です」と語った。

児嶋は、同じく福澤克雄監督が演出した日曜劇場『ルーズヴェルト・ゲーム』(2014)にも出演。6日に放送された『生放送!!半沢直樹の恩返し』で、福澤監督は「ご一緒させていただいたときにうまかったんですよ。すごい印象に残っていて。香川さんがよく言う、いいエンジンを持っている」と称賛し、「笠松さんという役は最終回で非常に大きな役どころ」と予告していた。

児嶋は、芸人だからハードルが下がっていると言うが、福澤監督も認める演技力。今夜放送の第9話、そして来週の最終回、キーマンとなる笠松役・児嶋の活躍に期待したい。

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