このお笑い番組活況の背景には、コロナ禍という社会の変化も影響しているようだ。
26日に『ザ・ベストワン』『音ネタFES』『キングオブコント2020』を包括した8時間にわたる『お笑いの日2020』を生放送する、TBS編成部企画総括の三島圭太氏は「ファミリーコアを重視する中で(お笑い番組の)コンテンツが増えているということもありますし、やはり閉塞感があるこの世の中で、テレビを見ているときくらいは何も考えずに笑って過ごしたいということが、今の時代に非常にマッチしているのではないかと思います」と分析。
フジの齋藤編成部長も『千鳥のクセがスゴいネタGP』について、「こんなときだからこそ、テレビの前で大きな声を出して笑うことができる、幅広い層の皆さまのご期待に応えられる番組になることをお約束いたします」と意気込んだ。
日テレの田中編成部長は「コロナによって状況変化している中で、『有吉の壁』ももちろんですが、いわゆる“お笑いバラエティ”のニーズをどのくらい皆さんがお持ちなのかを含め、我々なりに研究して新規番組の開発も同時に行っていきたいと思います」とし、「もちろん『有吉の壁』でも、さらにブラッシュアップして支持していただけるような試みと施策を行っていこうと思っております」と、さらなる飛躍に意欲を示している。
■19時台番組前倒し/嵐冠番組フィナーレ/1年ぶりG帯アニメ
このほかの動きとしては、テレ朝が平日19時台のバラエティ番組を18時45分スタートに前倒しするという、これまでにない“フライング編成”を導入。日曜の『ナニコレ珍百景』はすでに18時30分スタートで結果を残しており、「19時台の番組の放送時間を伸ばすことで、これまでよりも多くの視聴者層にリーチをしていきたいと考えております」(同局)としている。なお、4月から複数の番組を18時25分スタートにしたテレ東は「効果は出ていると思います」(大庭竹編成部長)と手応えがあるようだ。
年内での活動休止を発表している嵐の冠番組は、そのタイミングで終了予定。『嵐にしやがれ』(土曜21:00~)を放送する日テレは「フィナーレに向けて最大限に盛り上げるとともに、12月の最終回はスペシャルな内容にするべく準備中」(改編資料)とし、『VS嵐』(木曜19:00~)を放送するフジも「われわれも精いっぱい最後まで一緒になって番組を盛り上げていきたいと思っております」(齋藤編成部長)と方針を明かした。
テレ東は、アニメ『ポケットモンスター』をゴールデン帯に戻す(金曜18:55~)。民放キー局のゴールデンでアニメがレギュラー編成されるのは、テレ朝が『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』を土曜夕方に移動して以来1年ぶり。その『ドラえもん』が以前放送されていた枠での放送となるが、大庭竹編成部長は「看板アニメですので、改めてテレビ東京のブランドと言っても過言でない『ポケモン』を、家族そろって楽しんでもらいたいということで、置かせていただきました」と話している。
ちなみに、前回の4月改編説明は、コロナの影響でほとんどの局が資料配布のみの対応だったが、今回の10月改編はフジが対面、その他4局がリモート形式での開催となった。