美容整形を題材に、こうしたカジュアルな番組が成立する背景には、世の中の意識の変化があるという。
「“整形シンデレラ”のときは『いじめに遭いました』とか『ブスと言われて悩んできました』という心の闇が動機だったのが、今回登場する女性たちは、『憧れの韓流アイドルのような顔になりたい』『人気キャバ嬢になりたい』『老けて見られる顔を何とかしたい』と、かなり、変化しているんです」
この潮流に大きな影響を与えたのが、『ザ・ノンフィクション』での有村藍里の告白。「完全に空気が変わったというのを肌で感じます」といい、「実際、クリニックで話を聞くと、そういう雰囲気になってきていると言いますし、今回の収録でも、ゆきぽよさんが『メイクの延長という感じになっている』と言ってましたからね」と、以前は隠したがる傾向にあった整形が、堂々と気軽に行われる時代になってきたようだ。
今年の「整形シンデレラオーディション」のドキュメンタリーも手がけている張江氏。参加者の密着映像を、2月からYouTubeで連続配信しているが、コロナ禍でオーディションの日程が延期になっているため、本来予定していた全60話を、75話まで延長する計画だ。
「こちらもチャンネル登録が徐々に増えているので、需要を捉えながら進めていきたいと思います」と感触を語っている。
●張江泰之
1967年生まれ、北海道出身。中央大学卒業後、90年NHKに入局し、『クローズアップ現代』『NHKスペシャル』などを担当。05年フジテレビジョンに入社し、『とくダネ!』やゴールデン帯の特番などを制作、15年からは『ザ・ノンフィクション』のチーフプロデューサーを務めた。19年6月末で同局を退社し、動画制作会社「Hariver」を設立。YouTubeチャンネルのプロデュースや、企業動画の制作、BSテレ東『THE名門校 日本全国すごい学校名鑑』のプロデューサーなどを務め、13日に放送されるフジテレビの特番『あなたを美しくします! 美容(ビューティ)ゴッドハンド』でもプロデューサーを担当する。