音楽ユニット・水曜日のカンパネラのコムアイが、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。今回読んだのは、13日に放送される『東京でビッグになりたい ~所持金10万円の上京ホームレス~』だ。

熊本から10万円を手に上京し、ビッグになるチャンスを探すため、尋常ではない行動力で奮闘する男性に密着する内容だが、そんな彼から何を感じたのか。意外にも、自身の経験と重なる部分があったのだという――。

  • 『ザ・ノンフィクション』のナレーション収録を行った水曜日のカンパネラ・コムアイ

    『ザ・ノンフィクション』のナレーション収録を行った水曜日のカンパネラ・コムアイ

■“失敗したこと”が収穫に

今回の主人公であるケイタさん(22)は、公園暮らしを続けながら、スーツケース片手にアポなしで有名社長・企業を突撃訪問したり、高級ホテルのカフェで社長らしき人に声をかけたりと、突拍子もない方法でアタックを繰り返す日々を送っていた。

そんな姿を見て、「すごく素直な主人公だったので、応援する気持ちになったんです」というコムアイ。それは、かつて自身も同じような行動をした経験があって、「懐かしい気持ちをすごく思い出した」ためだという。

「高校生の時、友達とキューバに行ってみたくなったんです。本当にお金がなくて、今みたいにクラウドファンディングで渡航費を集めることもできなかったので、起業家の人に1人1人プレゼンして、うまくいけば1万円ずつもらうということをやっていました」

その起業家の1人に「とにかくお金がほしいだけの話だったら、銀座に行って夜歩いてるお金持ちのおじさんに話しかけてみたら?」とアドバイスをもらい、実践してみたが、「結果的には撃沈して、友達と反省会をして終わったんです」。それでも、「やってみて、“失敗したこと”がすごく気持ちよかったんですよね」と収穫があったそうだ。

そうした経験をしているだけに、ケイタさんのポジティブさや行動力に脱帽。「私は慎重なタイプで、人に言われて初めて殻を破る感じだったんですけど、ケイタさんはどんどん人に話しかけて、転んで起き上がることを物ともしない性格。失敗しても落ち込まないのは、すごい才能ですよね。あのポジティブな感覚は、本当に逸材かもしれないと思いました」と感心する。

さらに、「今どき、こういう若い人がいるんだなと思って、うれしくなりました」とも。

「自分が知ってる若い人たちは、わりと世の中を見渡せちゃってる感じで、結構トントントンって器用にやっていくんですよね。ケイタさんも器用なんですけど、とにかく試して“ここは通れないんだ”という世の中の壁とか穴を自分で見つけていく。そういう生き方がすごく素直でいいなと思いました」

  • 『ザ・ノンフィクション』の密着を受けるケイタさん (C)フジテレビ

■成金になっても「人間性が変わらない」

ケイタさんは、残金が底を尽きかけた頃、名刺交換会に参加。そこで勧められたスマホでもできるFX取引を始めると、2万円を元手に1週間で15万円近く稼ぎ、その後もトントン拍子に残高を増やしていくという、まさかの成功体験が起こる。

それでも、彼の性格が変わらなかったことに驚いたそう。「成金になっても、とにかく自分が成長していきたいという気持ちが大事で、お金を稼げない人を蔑(さげす)むという態度になっていなかったので、すごくバランスが取れていると思いましたし、成長していけそうな感じがしました」

ナレーションでは、ケイタさんのInstagramの投稿を読み上げる場面が何度もあるが、お金がない時も、残高をどんどん増やしていく時も「彼自身の人間性が変わっていないのが印象的でした」という。

一方で、「番組を見ている人は、やっぱりお金を手にしだしたときのケイタさんに対する目線がちょっと変わると思うんです。お金の数字によって『この人、何かあるかも』と見えるパワーがあるので」と予測しながら、「だからこそケイタさんは『ビッグになりたい』『お金持ちになりたい』って思うんじゃないですかね」と理解を示した。