「最近すこぶる評判の良い、AMDのRenoirのレビューしませんか?」と編集K氏から依頼があって、二つ返事で引き受けたところ、評価機材として、8基の物理コアを備える、Renoir世代のモバイルプロセッサでも上位寄りのRyzen 7 4700Uが搭載された「HP ENVY x360 15(AMD)」が到着した。
ここ数年のHPは、普通の製品とは"ロゴ"が違う「プレミアムモデル」が好評だ(気をよくしたのはわかるが、HPのノートパソコンは普通のHPロゴ以外にプレミアムモデル、ゲーミングプレミアムモデル、加えてワークステーションプレミアムモデルにも専用ロゴを用意しており、正直わかりにくい)。ENVYはプレミアムモデルに属するが、オンラインサイトを見たところ、特別価格とはいえ10万切りのお値段(原稿執筆時点)。これはちょっと驚きだ。
プレミアムロゴ付きなのにお買い得なENVY
パフォーマンモデルのスペックはCPUがAMD Ryzen 7 4700U、メインメモリ16GB、SSD 512GBで、15.6インチのフルHDブライトビューIPSタッチディスプレイとWi-Fi6(802.11ax対応)を採用。これがナイトフォールブラックのアルミ合金の筺体に収まっており、大きさが幅358×奥行230×厚さ18.9mmで重量が約2.0kg。
15インチゆえにややモバイルの範疇を超えているが、携帯性を求めるなら約1.25kgのHP ENVY x360 13(AMD)がラインナップされている。本製品は広めの液晶画面とテンキーを備えたデスクトップ代わりのノートパソコンや、自室とリビングの移動程度の「宅内モバイル」として、使わないときの収納性を重視したユーザーにとって、より最適な製品と言えるだろう。
HPのプレミアムノートパソコンらしいカッチリとした作りに加え、スピーカーシステムにBANG & OLUFSENの4スピーカーを使用し、さらにx360の名前が示すように液晶をグルッと回せばタブレットになる2-in-1と充実した内容だ。
外部ポートは、左奥からヘッドセット、HDMI(2.0)、USB-A 5Gbps、USB-C(10Gbps、Power Delivery、DisplayPort 1.4、電源オフUSBチャージ機能対応)、右奥から電源(19.5V 65W)、USB-A 5Gbps(電源オフUSBチャージ対応)、SDカードスロットとなっており、個人的には外部ポートが少ないので、もしも購入する場合はPD対応のUSB-C HUBを合わせて購入するとよいだろう。一方、SDカードスロットはフルサイズSDカードが奥まで入るタイプを採用しており、大容量のSDカードを増設ドライブっぽく使えそうだ。
キーボードはバックライト対応で少々重めのキータッチだが、入力性は悪くない。ただし、電源ボタンがDELキーの横で"\"キーの上にあり、最初電源を入れる際に「電源ボタンはどこ?」と探してしまった。
Windows Helloはカーソルキー横にあるエリア式指紋センサーで行い、IRカメラでない。WebカメラはこれまたHPらしく物理プライバシーシャッター付で不必要な露出を避ける事ができ、電源ボタンの横にあるカメラ禁止キーで設定する(キーを押すとカメラ部に白い蓋が入る)。物理シャッターの場合、手でスライドさせる製品がよくあるなか、キーで設定する物理シャッターは高級感も伴っておりいい感じだ。
なお、2-in-1のタブレットモードとして使う際に便利な4096段階筆圧と傾きに対応したアクティブペンはオプション(9,800円:税抜)となっている。
オフィスソフトはオプションだがMicrosoft Office 2019が現在50%OFFで提供(Personarlが+10,500円/Home&Businessが+14,000円:税別)されているので合わせて購入したい。