クリエイティブな作業に集中できるディスプレイ一体型デスクトップ

最後にパフォーマンスをチェックしてみましょう。今回はCPUベンチマーク「CINEBENCH R20」、「Geekbench 5」、ストレージベンチマーク「AmorphousDiskMark」に加えて、「Adobe Lightroom Classic」で100枚のRAW画像の現像、「Adobe Premiere Pro」で5分の4K動画の書き出しにかかる時間を計測しました。下記がその結果です。

CINEBENCH R20 CPU 5521 pts
CPU(Single Core) 473 pts
MP Ratio 11.68 x
Geekbench 5 Single-Core Score 1188
Multi-Core Score 9324
OpenCL Score 56524
Metal Score 58156
AmorphousDiskMark(SSD) READ SEQ128K QD32 3134.44MB/s
WRITE SEQ128K QD32 1832.12MB/s
Adobe Lightroom Classic 100枚のRAW画像を現像 3分55秒64
Adobe Premiere Pro 5分の4K動画を書き出し 3分11秒99
  • 「CINEBENCH R20」のシステム情報で、CPUが「Core i9-10910」であることを確認できました

今回の貸出機ですが、CPUは「Core i9-10910」(10コア20スレッド、3.6~5.0GHz)、ディスクリートGPUは「Radeon Pro 5700 XT」を搭載しています。それだけに、ディスプレイ一体型デスクトップとしては非常に高いスコアを記録しています。

ちなみにマイナビニュースの過去記事で、「Core i9-10900K」(10コア20スレッド、3.70~5.20GHz)を搭載するデスクトップPC「GALLERIA UA9C-R80T」がCINEBENCH R20で「6173 pts」を記録しています。クロック周波数の差、筐体サイズを考慮すれば、今回の27インチiMacは「Core i9-10910」の性能を最大限に引き出していると言えます。

実際のアプリケーションでも処理は高速。特に、Adobe Premiere Proでは5分の4K動画を実時間の約64%に相当する3分11秒99で書き出しを終了しました。動画編集で負荷の高い工程をこれだけ早く処理できるのなら、クリエイティブな作業に集中できますね。

  • 「Adobe Lightroom Classic」で100枚のRAW画像を現像したときに、サーモグラフィーカメラで本体背面の表面温度を計測してみました。室温は26.2℃です

  • 最も温度が高かったのはメモリーコンパーメントドア付近で52.6℃。TDP125Wのハイパフォーマンスプロセッサーを搭載している割には、比較的低めの温度に抑えられています

円熟の域に達した2020年モデルが賢者の選択

今回は、かなり贅沢にカスタマイズされた貸出機を試用しました。でも実は、アップルの標準構成の最上位モデルってかなりバランスがいいんです。とはいえ、ストレージが512GBでは心許ないので、プラス2万円で1TBにアップグレードして、メモリーは自分で換装するのがガチのおすすめです。Nano-textureガラス搭載ディスプレイは確かに惹かれますが、プラス50,000円の価値はないかなーというのが個人的な感想です。

さて、2020年モデルはカスタマイズの幅が広いので、2~3年で買い替えるならほどほどのスペックで、がっつり5~10年は使うならフルスペックなどと、予算と用途に応じて自分仕様のマシンに仕上げられます。Apple Silicon搭載Macの発表も気になりますが、プライベートと仕事のメインマシンとして選ぶのであれば、初物よりも、円熟の域に達した2020年版27インチiMacが賢者の選択だと思います。もちろん筆者は愚者ですが!