操作性は“EOS 5D系とEOS Rのいいとこ取り”に仕上げた
――EOS R5/EOS R6とも、サブ電子ダイヤル1とマルチコントローラーを採用した理由は。
佐藤さん:EOS 5Dシリーズなどの一眼レフEOSを使われていた方が、迷わず使いやすく感じることを優先した操作系としました。そのため、EOS Rで搭載していたマルチファンクションバーの採用は見送ることにしました。
浅井さん:“ミラーレスの5D”として操作性はどうあるべきかの議論を重ねていったところ、やはりEOS 5Dシリーズの代名詞というべきサブ電子ダイヤル(編集部注:EOS R5/EOS R6ではサブ電子ダイヤル1)とマルチコントローラーは外せないとの結論に至りました。というのも、どちらも撮影時と再生時の両方で重要な役割を持つからです。レーティングボタンも、サブ電子ダイヤルで画像を送りながらすぐにできる位置に配しています。
また、サブ電子ダイヤル1とマルチコントローラーの両方を搭載することで、上面の表示パネルとどのように融合させていくかといったところも追求しています。
EOS R5/EOS R6は、バリアングル液晶のヒンジが背面にあることなどから、操作部材を置くスペースが限られています。それもあり、サブ電子ダイヤルもEOS 5D系に比べるといくぶん小さくなっていますが、このサイズでも満足していただける操作性に仕上げています。
液晶モニターをバリアングルにしたのは、縦位置撮影を意識してのことです。横位置でのハイアングル撮影やローアングル撮影の場合では光軸から液晶が大きくずれることがありますが、チルト式よりも利便性は高いと考えています。
――電子水準器の表示がにぎやかすぎると感じます。もう少しシンプルでもよいのではないでしょうか?
佐藤さん:EOS Rでは「水準器の存在感が強すぎる」などの声をいただいたので、これでもだいぶスッキリさせました(笑)。水準器の表示もよく確認できるが、撮影している絵もよく見える、というベストなバランスに仕上げたつもりです。
――トップカバーのサブ電子ダイヤル2をEOS Rに続き採用したのはなぜでしょう。
浅井さん:“EOS 5D系とEOS Rのいいとこ取り”という感じの操作系としました。先ほど説明した通り、サブ電子ダイヤルやマルチコントローラーの採用でEOS 5D系のユーザーに訴求しつつ、サブ電子ダイヤル2でEOS Rユーザーも違和感なくEOS R5/EOS R6が使えるように配慮しました。このサブ電子ダイヤル2の採用で、EOSシリーズとしては初めて3ダイヤルとしています。
デフォルトでは、サブ電子ダイヤル2にISO感度の設定を割り当てており、ダイレクトに設定できるようにしています。また、柔軟にカスタマイズできるようパラメータ設定もできますので、自分好みのEOS R5/EOS R6に仕立ててもらえればと思います。