性能ベンチマークテスト、Turboでさらに高速化
ここからは一番気になるであろう性能チェックに移りたいと思う。性能を見るにあたり紹介しておきたいのが、動作モードとして性能を絞って動作音を静かにする「サイレント」、標準的な設定の「パフォーマンス」、オーバークロック動作でエンコードなど負荷の高い処理速度をアップする「Turbo」が用意されていること。モードごとにどう性能が変わるのかも試していきたい。
まずは、「PCMark 10 v2.1.2177」、「3DMark v2.12.6964」、「TMPGEnc Video Mastering Works 7」、「CrystalDiskMark 7.0.0f」の結果から見ていこう。
PCMark 10のスコアは、さすが8コア16スレッドのCore i9-10980HKと言える結果だ。サイレントモードにしても、クリエイティブ系の処理を行うDigital Content Creation以外はパフォーマンス、Turboモードをそれほどスコアに差はない。WebブラウザやOffice程度のアプリならサイレントモードで十分だろう。
一方でGPU性能を大きく関わる3DMarkはモードごとに大きな差が出ている。3Dゲームをプレイするなら、パフォーマンスまたはTurboモードにしておいたほうがいいだろう。
また、エンコード速度の違いもチェックしてみた。4Kクリップ(約4分)をペガシスのTMPGEnc Video Mastering Works 7でH.264とH.265に変換するのにかかった時間を測定した。どちらもソフトウェアエンコードで実行している。サイレント、パフォーマンス、Turboそれぞれモードの違いによる性能差が分かりやすく出ている。Turboモードは動作音が大きいが、高い性能を発揮できる。作業内容に合わせてモードを変更して使うのがよさそうだ。
ストレージの最大性能を見るCrystalDiskMark 7.0.0fの結果は、RAID 0構成ということもあり、インタフェースであるPCI Express 3.0 x4の限界近くまでデータ転送速度が出ている。文句無しで高速と言える。
基本的なベンチマークはここまでにして、実ゲームのベンチを紹介していきたい。定番としてMMORPGの「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」、軽めのゲームとしてFPSの「レインボーシックス シージ」、高い性能を求める重量級ゲームとして「モンスターハンターワールド:アイスボーン」を用意した。モードは「Turbo」に設定し、フルHD解像度と4K解像度でテストを行っている。
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークは、最高画質かつ4K画質でも「非常に快適」という評価。4Kでも遊べるのは心強い。
レインボーシックス シージは内蔵のベンチマーク機能で測定した。比較的軽めのゲームなので、4K解像度でも平均98fpsと十分快適にプレイできる。
モンスターハンターワールド:アイスボーンは集会エリアを作成し、一定のコースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測している。さすが重量級ゲームだけあり、4K解像度では平均33fpsと快適なプレイは難しい。画質を多少落とす必要がある。その一方でフルHDなら平均93.8fpsと十分な高さ。フルHDなら、今後発売するビックタイトルでも最高画質で十分遊べるだろう。
最後に、ROG Zephyrus Duo 15 GX550LXSは文句無しに高性能だ。Webカメラを備えないので、そのままではビデオ会議に対応できないなどノートPCでは一般的ではない面もあるが、高い性能とデュアルディスプレイはゲームだけではなく、クリエイティブな作業でも活躍できる。薄型でデザイン性にも優れ、所有欲も満たしてくれる。70万円前後という価格のハードルさえクリアできるなら、非常に満足感の高いゲーミングノートだ。