ASUSのROG Zephyrus Duo 15 GX550LXSは、15.6型のメインディスプレイと14型のサブディスプレイを備えるゲーミングノートだ。同社では、同じデュアルディスプレイ仕様のノートを「ZenBook」シリーズで出しているが、こちらはクリエイターやビジネスマンがメインのターゲット。ゲーミングノートとしては初投入となる。
最高峰のスペックを誇る2画面ノート
まずは、基本スペックに触れておこう。CPUは、ノートPC向けのIntel第10世代Coreプロセッサで最上位の「Core i9-10980HK」を搭載。8コア16スレッドで動作クロックは最大5.3GHzと高い。ゲームによっては、コア数よりも動作クロックの高さが快適度に影響する場合もあるが、本機ならどちらにも強いと言える。メモリはDDR4-3200とこちらも高クロックで容量も32GBと十分だ。ストレージは1TBのNVMe SSDを2枚搭載し、RAID 0を構築済み。大容量と高速なデータ転送速度を備えている。
GPUには、NVIDIAの「GeForce RTX 2080 SUPER Max-Q」を搭載。ノートPC向けのハイエンドGPUで、ビデオメモリはGDDR6が8GB、ブーストクロックは1,080MHzだ。Max-Qは薄型ノートに搭載できるようにしたもので、動作クロックはそれほど高くはない。十分高性能だが、デスクトップ版のGeForce RTX 2080 SUPER(ブーストクロック1,815MHz)よりは性能が落ちることは覚えておきたい。
一番の特徴と言えるデュアルディスプレイ。メインディスプレイは15.6型で解像度は4Kだ。表面は映り込みのないノングレア仕様。リフレッシュレートは一般的な60Hzだ。キーボードの上部にあるサブディスプレイは「ScreenPad Plus」と呼ばれるもので、サイズは14型、解像度は3,840×1,100ドットと横長。こちらはタッチ操作に対応する。
デュアルディスプレイの魅力は、メインディスプレイでゲームをプレイしながら、別のアプリを表示したり、操作できることだろう。メインディスプレイはゲーム、サブディスプレイにはDiscordやSkypeといったコミュニケーションツールや、OSB Studioといった配信アプリを配置できる。Webブラウザを起動して動画やテキストの攻略情報をチェックすることも可能だ。サブディスプレイはタッチ操作が可能なので、フルスクリーンでゲームをプレイ中でもアプリの操作がしやすいのも便利なところ。
サブディスプレイは画面の左端に用意されたボタンを押すとメニューが表示され、各種機能を呼び出せる。ARMORY CRATEなど関連アプリへのショートカットや輝度の調整、キーボードのオン/オフといった機能が用意されているが、便利なのが「タスクグループ」だ。メインディスプレイとサブディスプレイに表示させているアプリの配置をショートカットとして登録しておけるというもの。例えば、メインディスプレイにゲーム、サブディスプレイにSkypeとWebブラウザを表示させて登録すれば、それをワンタッチで呼び出せるようになる
サイズはW360×D268×H23mm、重量は2.5kg。バッテリー駆動時間は公称で約4.8時間(JEITA測定法2.0)と短め。性能が高く、デュアルディスプレイ仕様なので仕方がないところだろう。ACアダプタも大きめだ。
インタフェースは右側面にUSB3.0×2、Thunderbolt 3×1、左側面にヘッドホン出力、マイク入力、背面にギガビットイーサ、USB3.1 Gen2×1、HDMI出力を備える。無線はIEEE802.11ax、いわゆるWi-Fi 6に対応。Bluetooth 5.0もサポートする。
次に入力インタフェースをチェックしよう。サブディスプレイがあることから、キーボードは手前ギリギリにあり、タッチパッドはその右側にある独特の配置。そのため、キーボードを操作しながらタッチパッドを利用するという、一般的なノートPCの使い方はできない。
キーボードは英語配列。詳しいスペックは公表されていないが、実測でキーピッチは約19mmと十分なサイズだが、キーの形状は正方形ではなくやや横長。サブディスプレイがあるので、縦方向のスペースが取れないためだろう。キーストロークは1.4mmとノートPCでは標準的だが、クリック感があり、反発も強めで使い勝手は悪くない。Nキーロールオーバーを搭載しているため、キーの同時押しも可能だ。
タッチパッドは左上のボタンを押すと、テンキーが浮かび上がる仕組み。数字入力をしたい場合には役立つ機能だ。
なお、専用のパームレストが標準で付属している。キーボードが手前ギリギリにあるのが気になる人もこれを使えば解決と言える。