■総評
調査の結果、「息子」「孫」がいると回答した人は全体の76.9%。そのうち、息子と孫だけで帰省する「父子帰省」を経験したことがある人は37.5%と、3分の1強の数字となった。
「父子帰省」を経験して良かったこと、大変だったこと、息子夫婦への要望などを聞いた。「良かったこと」に関しては、祖父母が嫁に気兼ねすることなく孫の世話をしたり遊んだりできることを挙げている人が多い。
また息子自身も、「たまには男同士で旅をするのもいいものだと思いました。成人したら一緒に飲み歩きの旅に出たいと思います」(43歳男性/コンピューター機器/IT関連技術職)など、普段はなかなか難しい父と子の触れ合いの時間を持てるという人も目立った。同時に妻の方も、忙しい日常から解放されて自分の時間を持つことができるメリットを感じているようだ。
反対に「大変だったこと」は、母親と一緒でないと孫の面倒を見るのが大変だったという意見が多い。これは子どもの年齢や性格など、母親への依存度の違いによっても変化する部分かもしれない。また、祖父母だけでなく父親サイドからの、母親不在のなか父子だけで長距離を移動することのしんどさを挙げる意見もあった。
上記のような「良かったこと」と「大変だったこと」の、その「両面がある」というコメントもあり、「父子帰省」は楽しい反面、大変なことも多いと感じている人もいる。一方で、「父子帰省」だからといって特別な感想はないとする、クールなコメントもあった。
また、今回のアンケートの回答では「息子夫婦への要望」はほとんど見られなかった。いろいろ思うところがあっても年に一度か二度のことなので、あえて口に出すまでもない、というのが実際のところだろうか。
今後「父子帰省」をしてもらいたいと思うかを聞いたところ、「はい」が51.9%、「いいえ」は48.1%とほぼ拮抗した結果となった。
「はい」の理由としては、「息子と孫だけの方が気楽」「嫁が一緒だと気を遣う」「孫との時間を楽しみたい」などが主な意見として寄せられた。この辺りは、単に「父子帰省」だけの是非というよりは、古典的な「嫁姑問題」や「嫁と義実家の関係性」なども影響している部分かもしれない。
一方の「いいえ」では、先に挙げた「大変だったこと」と共通した理由が目立つ。つまり、嫁がいないと息子や孫の面倒を見るのが大変なので「父子帰省」には消極的という立場だ。また、「家族揃って来てくれた方が賑やかでいい」「家族みんなの元気な顔を見たい」など、せっかくの帰省なのだから全員が揃った方が好ましいという意見もあった。さらに、これは昨今ならでは事情だろうが、「コロナ禍にあっては移動そのものに反対」というコメントも複数あった。
今年は折からの新型コロナウイルス事態を受け、例年通りの帰省を諦めた人も多いだろう。公共機関を使用せず、マイカーで移動し、途中の寄り道も極力避ける、など3密を避ける帰省手段を選んだ人や、オンライン帰省に切り替えた人もいるかもしれない。もしかすると中には、今夏は少人数の「父子帰省」あるいは「母子帰省」で、という選択をした人もいるだろうか。
いずれにせよ、実家で待つ祖父母にとっては、自分の子どもや孫たちが元気な顔を見せてくれる貴重な機会である帰省。来年にはぜひ、誰もが何の躊躇もなく実家や義実家に里帰りができる、そんな日常が戻ってきて欲しいと願うばかりだ。
調査時期: 2020年8月6日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 503人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません