――5月にリリースされた『漫道コバヤシ』のDVDでは、『キャプテン翼』の高橋陽一先生、『キン肉マン』のゆでたまご先生(嶋田隆司先生/中井義則先生)、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の三条陸先生、『約束のネバーランド』の出水ぽすか先生、『こち亀』の秋本治先生の仕事場を訪れました。それぞれ印象的だったことや驚いたことを教えてください。

まず高橋先生は、天然というか、ご本人の記憶が薄いというか(笑)。まあ、走り続けている先生なので、当然なんですけど、こっちが用意した質問のほとんどを「そんなの描いたっけ?」みたいな感じでしたから(笑)。話していてすごい面白かったですね。僕が「もしかしたらこういうことやったんじゃないですか?」って予測で言うたら、「じゃあそういうことにします」みたいな感じで話が進んでいったんで(笑)。「いいのかな?」と思いながら、ドキドキしながら取材を進めた記憶がありますね。

ゆでたまご先生は、嶋田先生は何度も出ていただいたことがあるんですけど、中井先生は本当にレア。なかなか取材は受けない方なんです。しかも、お二人同時にお話を聞けたのは、かなり貴重な映像になりました。中井先生はいまだに絵の勉強をされていると。あれだけの名声を手に入れた人が未だに勉強しているっていうのは驚きですよね。

三条先生は、漫画の理論がものすごくしっかりした人で、「少年誌はこう描いたらいける」みたいなことをよく考えている人やなと。だから、僕とか単なる漫画ファンよりも、プロの漫画家を目指す人が見るべき回やなと思います。出水先生は、失礼になったら申し訳ないですけど、こんなに変わった人っているんだって感じでした(笑)。正直最初、めちゃくちゃびっくりしましたよ。ライダースーツにヘルメットで来たときは。取り押さえた方がいいかなと思いましたね。しゃべりも超ハイテンションで。いい意味で、思ってた人とは違いましたね。漫画好きの少女がそのままプロになったって感じでした。

――これまでにも、女性漫画家の方は取材されてますよね。

それこそ、大御所やったら柴門ふみ先生とかおられるんですけど、出水先生は少女漫画より少年漫画に熱かったみたいな。『キン肉マン』好きっていう、意外な一面もあったんで、全てがギャップだらけで面白い先生でしたね。

――そして、秋本先生です。

秋本先生の自宅に訪問できたのはすごかったですよ。DVDの中でも語ってますけど、「あんなソファ、どこで売ってんのやろ?」っていうソファですからね。30人くらい座れるソファなんですよ。どのニトリ行っても見たことないです。まさに、漫画界の第一人者っていうのを、目の当たりにしましたね。