フロントパネルのLEDは「新たな世界へつながるゲート」

――今回は、ある面では原点回帰を目指しているとのことですが、新旧のGALLERIAを一言で表すとしたら、それぞれどんな言葉を当てはめますか?

瀧吉氏:デザインを監修していた人物と話していたんですが、「実直と洗練」がもっとも適切だろうという結論になりました。新たなGALLERIAは不要なものを削ぎ落とし、日常生活に溶け込めるようにデザインも磨きました。まさに「洗練」という言葉が当てはまると思っています。企画段階でも「洗練」というワードはとても意識していました。

悩んだのは以前のモデルをどう表現するかですね。先ほどは「盛りすぎた」と言いましたが、当時は「盛る」なんていう感覚はなく、「これもできます! あれもできます!」と、素直なサービス精神から豪華な仕様を目指していました。

見直してみると確かに風呂敷を広げすぎていた部分はあったわけですが、そんな状態の製品を表現するなら、「実直」という言葉が適切だったのかなと思います。

――生まれ変わったGALLERIAの課題や、目指すべき目標みたいなものはありますか?

瀧吉氏:ありがたいことに、最初から「GALLERIAをください!」と来店されるお客さまもいらっしゃいますが、ゲーム初心者のお客さまは何を買っていいかわからない。私たちの側から、「GALLERIAのファンになってください」と歩み寄らなければならないと思っています。「GALLERIAのファンになったからゲームを始めました!」みたいなブランドを目指したいですね。

――一見するとエンブレムやケースのデザインが変わっただけに思えますが、よくよく見ると今まではあって当然だったものが省かれていたり、そこにはちゃんとポリシーがあって、目指す目標も設定されているんですね。

武藤氏:コロナ禍で、インドアで遊べるゲーム全般に注目が集まっています。PCゲームにはコミュニケーションツールとしての役割もあり、もっとPCゲームが当たり前に遊ばれる時代になっていくと思っています。

今度のケースはフロントパネルの周縁部がLEDで光る部分は「ゲート」をイメージしてデザインされています。新しいGALLERIAは、そうしたPCゲームが当たり前に遊ばれる時代において、“新たな世界へつながるゲート”であり、また、同時にそこへ飛び込む相棒でもある、そんな存在になってくれるといいと思っています。

  • フロントパネルの黒い部分を囲むように配置されたLEDイルミネーションは「ゲート」をイメージしてデザインされている。消したときも見た目が損なわれないようにも配慮してある。また、天板をフラットにしたのは、「PCのケースの上にものを置くユーザーが多いため」だという。しかも、ホコリが入らない仕組みになっている

  • 機材を運送したりする機会が多いeスポーツでの知見を活かして採り入れられたビデオカードを固定するサブフレーム。マザーボードのPCIスロットやビデオカードが破損することを防ぐ。大会での使用時やサードウェーブのレンタル事業向けに搭載するが、一般販売用では今のところ検討中